モーニング7の武雄競輪「オッズパーク杯」は30日、最終日を迎え、ベスト7による決勝戦が最終6Rで行われる。連勝で勝ち上がった大西貴晃(28=大分)が今期6Vをパーフェクトで飾るかに注目が集まるが、117期の新鋭・倉田紘希(20=三重)がチャレンジャー精神でぶつかっていく。

 4月大垣で3場所連続完全優勝を果たし、チャレンジを卒業した倉田がA級1、2班戦のデビュー戦で見事、ファイナリストになった。大会2日目(29日)の準決5Rは鐘前から先頭に立って先行態勢に入るとそのままエンジン全開。番手の広田敦士(28=三重)が大きく車間を切って後続をけん制したサポートもあり、三重支部のコンビプレーに他地区の選手はなすすべなし。117期の新鋭は、ゴール前で広田に差されたが、2枚しかない優出切符を獲得し「作戦にはまりました。めっちゃ走りやすかったです」と表情が和んだ。

「昨日(初日)のことがあったので結果だけでも持って帰らないといけない」と気合が入っていた。初日(28日)は同門の岩見潤(47=三重)が後ろだったこともありド緊張。そして、レースでも打鐘過ぎに倉田の後輪と岩見の前輪が接触して岩見が落車するアクシデント。〝悪夢〟に「何も言うことはありません。最悪です」と、1着を取った選手とは思えないほどガックリうなだれていたのは過去の話だ。

 もやもやを吹き飛ばす走りで何とかホームバンクの松阪には帰れそうだが、あとひと頑張り。最終日(30日)6Rの決勝は今期5Vの大西が腕を撫している。「来る前に親父と参加メンバーを見て『大西さんがいる』って話していたんですよ。何か盗みたい」と目はキラキラ。「優勝を狙っていくけど、2日間は完璧なレースはできていないので…」。大好きな6番車の勝負服を身にまとい、チャレンジャー精神でA級トップレーサーに挑んでいく。