モーニング7の武雄競輪「オッズパーク杯」は28日、開幕した。初日メインの7R特選は大西貴晃(28=大分)が鐘過ぎ先行で押し切った。シリーズ2日目の29日はレースカットが実施された関係で4~6Rで準決勝が行われる。面白いのは4Rを走る秋山貴宏(39=佐賀)だ。選手会佐賀支部長が地元戦では2018年11月以来の優出切符獲得へ激走する。

 最高の滑り出しとなった。2R予選で秋山は3番手鐘4角から菱田浩二(32=京都)を叩いての先行策がズバリ。「中団がスンナリ取れたので滝本(匡平、36=愛知)君に行かれるのを待つよりも先に行っちゃえ」。まくり屋の奇襲ともいえる積極プレーに他派は混乱。「踏み直せるように6~7割で踏んで」最後までペースを保つと大名マークの梶山(裕次郎、40=福岡)を8分の1輪振り切っての白星。朝から満面の笑みで検車場へと引き揚げてきた。

 松浦悠士(30=広島)の大会連覇で幕を閉じた「71周年」が25日に終わったばかり。選手会佐賀支部長を務める秋山は年に一度のお祭りを成功させるべく〝世話役〟として慌ただしい時間を過ごしていたが、一人のプレーヤーとしての責任も果たすべく、「この開催には」と、早朝に時間を見つけて練習に精を出していた。そのひたむきな努力が1着という結果につながった。

 2日目(29日)セミファイナルは4Rに登場する。前を任せる竹元健竜(23=福岡)とは初めての連係。竹元は初日予選でS級下がりの広田敦士(28=三重)に先着しており、デキは悪くなさそう。特選組の井上嵩(32=愛知)に気後れすることなく立ち向かっていってくれれば、長い直線を味方に支部長は何とかする。

 本命サイドで収まることが多い早朝レースだが、穴党も「早起きは三文の徳」を待っている。