小田原競輪場で開催されているS級シリーズは22日、初日を行った。欠場者が出たため、2日目(23日)は11R制で行われる。
最終レースとなるS級準決11Rは〝先行日本一〟で東京五輪日本代表に内定している脇本雄太(32=福井)の実弟・勇希(22=福井)に浅井康太(36=三重)がつける注目の一戦となった。3番手は吉村和之(43=岐阜)。
勇希はS級予選10Rで2周逃げて2着に逃げ粘ると「小田原は重いけど、直線が短いので先行で戦える」と力強く手応えを口にした。が、準決のメンバーが発表されるとみるみる表情が青ざめた。
「浅井(康太)さんが…、ついて…くれるんですかね…」
挨拶にいくと、浅井は「徹底先行で強いんでね」と喜んで番手回りを決めた。すでに気負いの顔つきの勇希に対し「落ち着いて、行けるタイミングをみて、自分の走りを。まくりになったら、まくりでいいし」とアドバイスした。
それでも勇希は「夜は寝られないと思う。今までで一番失敗できないレース」とガチガチ。兄と浅井が好連係を決めてきたレースもあるだけに、自分も責任を果たしたいと覚悟を決めていた。