青森ミッドナイト競輪(FⅡ)が19日、開幕した。今節は予選にも注目株が多く、7Rで人気に応えた小林稜武(28=千葉)もその1人。今期は初のS級点を狙える位置をキープしており、準決も大事な一戦になる。
初のS級点が視界に入ってきた。2班で予選回りのため初日から気の抜けない戦いを強いられるが、今期これまで予選は負けなし。準決でも特選シード組を次々と撃破し、今節は競走得点4番目、堂々の優勝候補としての参戦になる。
危なげなく人気に応えた初日のレース後も、すぐに準決へと気持ちを切り替えた。「前回(小田原準決で)山本勝利(22=東京)君にやられているので気を引き締めないと。今回から仕切り直しで、ここからが勝負ですから」と、2場所続けて決勝を外すことへの危機感をにじませた。
1、2班戦に上がって2年になるが、この間は調子を上げると落車の繰り返し。いずれも大ケガで、競走得点が80点を割った時期もあった。だからこそ、順調に競走をこなし成績に大きな波もない今期は大きなチャンス。今期はまだ2か月以上残っているにもかかわらず「S級点のボーダーってどれぐらいなんですか」と逆取材するほどS級への思い、憧れは強い。
父はS級でも活躍した小林昭二氏(56=新潟・引退)。地元の新潟で選手を志すも挫折し、いったんはサラリーマンの道へ。家族とともに関東へ移り住み、千葉所属として選手になる夢をかなえた。「新潟でも千葉でも多くの人にお世話になった。だから頑張らないといけないんです」。準決7Rは決して楽な組み合わせではないが、ここで脱落するわけにはいかない。