西武園競輪開設71周年記念(GⅢ・ゴールド・ウイング賞)は16日に2日目を開催。2Rの選抜戦では地元勢で唯一、一次予選敗退となった植原琢也(26=埼玉)が意地を見せて白星を手にした。

 裸逃げの苦しい展開だったが後続を振り切って、一予敗退のうっ憤を少しだけ晴らした。「脚と気持ちに余裕がなくてラインに迷惑かけた。競輪になっていなかったし反省しかない…」とレース内容を悔いていたが、自信喪失気味の植原にとって1着は何よりの良薬だ。

「今は一番点数を持っていた時よりも練習はやっている。ただ自信がないというか、本番で出し切れない。逆に成績が良い時はそんなに練習していなくても謎の自信があったんですが(苦笑)」

 ほぼ〝勢いと感性〟だけでS1まで一気に上り詰めた天才肌だが、昨年から落車禍に悩まされ低空飛行が続いている。そんな植原はついに〝考えて〟競輪をやるようになった。

「僕、今までセッティングとかあまり気にしてなかったんです。でも、初日のレース後に平原(康多・38=埼玉)さんにポジションを出してもらったら、すごく自転車が軽くなったんです。すごいなぁーって(笑い)。3日目はクランクを替えてセッティングもいじってみる。ガラリと変わると思うし今日(2日目)より悪くなるかもしれないけど、今回は地元記念というより〝勉強会〟のつもりなので、平原さんにたくさんのことを教えてもらうつもり(笑い)。あと久々に同期(黒沢征治・29=埼玉、森田優弥・22=埼玉)もいるから、2人からもいろいろと話を聞いてしっかり吸収したいと思うんです」

 植原の学習能力の高さは輪界でもトップクラス。今シリーズをきっかけに再び上昇気流に乗っていきそうだ。