久留米競輪(FⅡ・ナイター)は、15日に開幕。奥平充男(49=京都)は、腎臓病からの復帰3戦目となったが、6着とぼろ苦いスタートとなった。これで7走連続の末着決着となったが、不屈の精神で現場復帰した男を温かい目で応援したい。

 昨年、ネフローゼ症候群を患った。「体中がむくみはじめて、診察してもらった結果、わかりました」と言う。11月に入院して1か月の投薬療養を開始。退院後も自宅療養に努めた。「回復するまで2年かかると言われていましたが、5か月で回復できました。診断を受けた時には引退も考えましたが、今、こうして走れるだけでも幸せなんです」と語る。
 
 入院生活で体重は76キロから64キロまで減ったが、奥平は前向きにとらえている。「今、選手間ではダイエットブームでしょ。でも、自分は苦労することなく自然に減量できたわけですから」。そこから筋力アップなどをして70キロまでは増やした。走りながら調子を戻している状態だ。

 さらに「現在の自分の目標は〝人生史上の最高を求める〟なんですよ。だから、病気する前に間違ってGⅠとか取っていてハードルが高くなくて良かった~と思っています」と、あくまでも前向きだ。

 水泳界で白血病から池江璃花子がオリンピック代表を勝ち取ったように、地味ながら奥平が“自分史上最高”を達成する日を楽しみに待ちたい。