広島市営の小倉ミッドナイト競輪(FⅡ)は7~9日の3日間にわたって熱戦を展開する。

 来期はS級1班に昇格する中川勝貴(25=福井)をはじめ、野口大誠(31=熊本)、前反祐一郎(47=広島)、日野博幸(37=愛媛)らがV戦線をリードする。予選組では前回大垣で今期初Vを飾った117期の大型新人・緒方将樹(22=熊本)が台風の目になりそうだ。

 また、V争いの前哨戦ともいえる特選9Rは野口のスピード戦を本命視したが〝地元開催〟でハッスルする藤井将(27=広島)が面白い。

 来期(7~12月)は初めてS級に昇格する藤井が、初日からカープ魂をたぎらせる。前回の3月別府戦は準決で売り出し中の117期・桜井祐太郎(21=宮城)と対戦して敗れはしたが、初日特選と最終日に1着取り。「準決は踏み遅れてしまってテンポが悪かったが、脚の感じ自体はよかった」と手応えは上々。今期初Vを果たした2月広島から3場所連続して決勝を外していることにも悲観する様子はない。

 初日(7日)の特選9Rは同県の先輩・前反とタッグを組む。実は、2人は同じ練習グループで前反は〝番頭役〟にあたる存在。初めての連係に「明日(初日)は緊張するんだろうな」と心境を吐露する。また、同じ中国の内藤敦(44=岡山)が四国単騎の日野につけることには「一番嫌なのが二分戦、次に先行一車なので良かった」と、野口を含めてラインが三分したことをむしろ歓迎ととらえている。

 小倉は1、2月と連続で走って、ともにピンピン優出と気を吐き「いいイメージ」と話す。さらに、今大会は広島市営の開催。「広島の名前がつくだけで気持ちが違いますね。3割増しと思ってください」。人気は今期4Vと破竹の勢いを続ける野口に集まりそうだが、クレバーな運行で消耗戦に持ち込むことができれば、殊勲賞獲得も夢ではない。

写真=藤井将

エトキ=バンクは違えど〝地元〟開催で気合十分の藤井