別府ミッドナイト競輪(FⅡ)は6日、最終日を迎え、8Rでチャレンジ、9RでA級1、2班戦の決勝戦が行われる。A級1、2班戦は地元の大西貴晃(28=大分)が今期6回目のV取りなるかに注目が集まる。

 今節の主役が順当に決勝へコマを進めた。2日目(5日)の準決9Rは鐘4角手前から一気のカマシ。後ろが離れて、〝裸逃げ〟の格好になったが、最後まで力強く踏み切り、先頭でゴール線を駆け抜けた。「後ろに飛びつかれないように走ったが…。今の上がりタイム(12秒2)では仕上がってないですね」とジャッジは厳しかったが、格の違いを存分に見せつけた。
 
 今期はこれで7度目の優出。過去6場所で優勝は5回。各地で〝無双〟ぶりを見せつけているが、唯一といってもいい敗戦が2月に開催された地元戦(7着→1着→5着)だった。前検日(3日)から「ここだけ取りこぼしているので、今回は取らないとヤバイでしょう」と気持ちは入っていた。そして、4月から賞金が増額されたことも〝独身貴族〟の目の色を変えさせている。

 最終日(6日)の決勝は大きく分けて二分戦。大西は中村健志(35=熊本)―池田浩士(42=佐賀)と九州ラインを組み、117期の下井竜(26=三重)が先陣を務める中部勢と対峙する。確かに気鋭は、準決7Rで篠原龍馬(39=高知)―高橋清太郎(35=岡山)の中四国特選コンビを完封。さらに大名マークの愛敬博之(36=愛知)を振り切り、勢いがあるが、ゴール後落車のアクシデントで〝手負い〟の状態になってしまったのは残念。大西がパワー、スピードでレースを支配して、最大のライバルになろう中村をも振り切り、今期6度目の優勝をつかみ取る。