伊東競輪場で開催されているS級シリーズは4日、初日を行った。S級予選9Rでは芦沢大輔(38=茨城)が、ラインの結束を生かして1着取りに成功。絶大な人気に応え、ホッとした表情を見せた。

 任せた山岸佳太(31=茨城)とは「静岡の2日目、最終日に連係して、何やってんだ、っていう走りになってしまっていた。ファンの信頼を取り戻すためにも、しっかり走りたいと思っていた」とレース前から入念に作戦を立てた。

 長期欠場明けの松田大(31=富山)に対しても「前を取りたいだろうから、というのでこっちがSを決めて有利に立とう」と油断のないように組み立てを考えた。芦沢が号砲と同時にダッシュして前受けに成功。あとは山岸のタイミングでの仕掛けで、ライン上位独占につなげた。

 今開催の直前、ともに汗を流す吉沢純平(36=茨城)が練習中にアキレス腱断裂のケガを負ったという。「発走機の練習をしていたら、聞いたことのない音がして…」。すぐに手術する予定というが、厳しいケガに表情を暗くする。吉沢はケガばかりの選手生活…。

「奈良で鎖骨を骨折したばかりで、復帰のウィナーズカップは良さそうだったのに。またこんな大ケガでしょう。かわいそう過ぎて…。とにかく頑張ってほしい。これだけです」

 できることは、吉沢に「また芦沢さんと一緒に走りたい」と思わせ、復帰につなげてもらうことだ。心を込めて戦い、盟友へエールを送る。