大宮競輪場で開催中のS級シリーズ(FⅠ)は17日が最終日。決勝11Rは大石剣士(25=静岡)と根田空史(32=千葉)の2分戦という構成になった。

 大石は16日の準決9Rで川越勇星(24=神奈川)の男気先行を番手まくりして白星を手にした。「勇星が頑張ってくれた。彼の気持ちが本当にうれしかったです」。後輩の頑張りで勝ち上がっただけに、決勝は「自分が南関の先頭で思い切って仕掛けたかった」。しかし、他地区の自力型が不在で南関結束となると先行一車になり、分断される可能性があった。根田との話し合いの末に「お互いに力を出し切ろうということになりました」と泣く泣く別線勝負を選択した。

「本当は南関でまとまりたかったし別線は残念」という言葉は本心だろうが、根田とたもとを分けたことで〝発進役〟ではなくなり、逆にVのチャンスは拡大した。「根田さんは南関を代表する先行選手。そんな先輩と戦える機会なんて滅多にないし、自分の力を試すためにも思い切ってぶつかりたい。そこで得られたことを今後につなげていきたいです」

 大石自身の気配は良好だ。「踏んだ感じは悪くない。一発狙える状態だと思います」。割り切って力を出し切れば、好結果が付いてくるかもしれない。