広島競輪S級シリーズ(FⅠ)は14日に最終日を迎える。準決では武田豊樹(47=茨城)、菅田壱道(34=宮城)に荒井崇博(42=佐賀)といった銘柄級が敗れる波乱があったものの、岩本俊介(36=千葉)は圧巻の走りで2連勝ゴール。前走の西武園に続いての連続Vが有力だが、佐々木悠葵(25=群馬)に一発のニオイを感じる。

 2日目10R準決では前受けから一度は小川真太郎を突っ張って出るも、小川の2度目のアタックに叩かれてしまう。「先行する気満々だったのに流し過ぎた…。まだA級の感覚で走ってしまっている。経験不足です」と反省の弁を口にしたが、そこからが真骨頂だった。小川の番手に飛び付いて福島武士(35=香川)を競り飛ばすと、ゴール前では粘る小川を逆転した。大学までバスケットボールに打ち込み、適性試験で合格した経緯もあり「フォーム的にも、ヨコの動きはできるようにしている」というのは、競輪と同じコンタクトスポーツでもあるバスケットボールで培われた賜物なのかもしれない。

 決勝は単騎での戦いを強いられたが、準決で見せたインパクトはライバルも一目置いているはず。縦横無尽の立ち回りで、2月高知に続く2度目のS級優勝をやってのける可能性までありそうだ。