広島競輪場を舞台に4日間にわたり熱戦を展開してきた玉野競輪GⅢ「開設70周年記念」(瀬戸の王子杯争奪戦in広島)は最終日の7日に決勝戦が争われ、地元の松浦悠士(30=広島)が今年3度目のGⅢ制覇を飾った。

 開口一番「地元で優勝できたのはうれしいけど、お客さんの前で走れなかったのが残念。ゴールしてから、さらにその気持ちが強くなった」というのは偽らざる本音だろう。地元ファンの大声援を背に感動のゴールを駆け抜けた2018年の広島記念とは違い、静寂に包まれたまま激闘を終えた。

 太田竜馬(24=徳島)の先行に清水裕友(26=山口)が立ち遅れ、まくりがなかなか進まない苦しい展開。それでも、2センターからは抜群のコース取りで直線に向くと、ゴール前でひと踏み。太田の番手から発進した取鳥雄吾(26=岡山)の記念初優勝の野望を打ち砕いた。「脚の感触は良かったし、決勝では乗り方や踏み方もバシッと入った」と手応えもつかんだ。

 次に控えるGⅡ「ウィナーズカップ」(3月25~28日)はもちろん、今年最大の目標でもあるGⅠ「日本選手権」(5月4~9日)制覇へ向けても視界は良好。同月に広島で行われる「全プロ競輪」(29、30日)では、ダービー王の称号を引っ提げ、大勢のファンの前で走れると信じたい。