防府市営の小倉ミッドナイト競輪(FII)は1日、開幕した。注目の特選9Rは掛水泰範(37=高知)が2角番手まくりで勝利した。予選では松尾勇吾(22=熊本)、小笠原光(24=岩手)、緒方将樹(22=熊本)のヤングが揃って人気に応えた。シリーズ2日目(2日)は準決勝3番がメイン。小笠原、松尾、緒方の勢いある若手を本命に指名した。特に7Rでは強いハートでぶつかる小笠原に熱視線――。

 前検日からアドレナリンは出っぱなしだ。初日(1日)の予選7Rでスタートを決めた小笠原―川村昭弘(46=新潟)―本間慎吾(33=新潟)の東日本勢は5番手から上昇してきた広田樹里(40=熊本)―竹内真一(39=福岡)の九州両者に一歩たりとも前に出させることはなく、ラインで上位独占。最後まで先頭で走り切った117期のルーキーは「気合入っていました」と初戦を振り返った。

 ここまで闘争心をかき立てたのは、前回の前橋決勝の悔しさからだ。ずっと5番手でアクションを起こすことができないままでの敗戦(5着)に「こいつ、何やってんだというレースをしてしまった。帰ってから兄弟子に『勉強会させてください』って話しました」。

 2日目のセミファイナルは7Rに登場する。発表されたメンバー表を見て、地元の松永真太(38=福岡)が後ろにつく趣旨の番組であることを理解すると、ダッシュして松永の元に駆け寄りあいさつ。小笠原の勝利者インタビュー後の記者陣との写真撮影のシーンを見ていた松永も「さっき、ハートのポーズをしていた子だよね」と快く受け入れた。

 初日の逃げ切りは実力差を考えれば、勝って当然のところもある。準決以降で攻めるレースをしてこそ、前回の反省は生かされる。北日本の元気印は「当たりが来たので、2日目はいい走りを期待してください」と、相手となる石丸寛之(46=岡山)、清水一幸(34=徳島)の特選シード組の自力型にも臆せず、全力でぶつかっていく。