いわき平競輪開設70周年記念(GⅢ・いわき金杯争奪戦)は26日、2日目を開催した。二次予選7Rは桜井正孝(33=宮城)がうまい立ち回りで快勝。やはりこの男には9車の競輪がよく似合う。

“らしさ”をフルに発揮して勝ち切った。赤板過ぎにインを斬って吉武信太朗(27=愛媛)―湊聖二(44=徳島)の3番手をキープすると、巻き返しを狙った人気の中西大(30=和歌山)を何度もけん制。ラストはまくり気味に突き抜けた。「伸びたというより風で前がタレた感じ。トップスピードにも上積みがない」と不満の残る口ぶりだが、組み立ては満点だ。

 やはり9車になると立ち回りのうまさ、レースセンスが生きる。いったん前に出たのは「赤板で勘が働いたから」。結果的にはこの動きで流れを大きく手繰り寄せた。豪快にスパートするシーンが少ない分、細かい動きを多用し泥仕合に持ち込んで勝負。「自力出すだけが競輪じゃないですから」の言葉にも説得力がある。

 優勝候補の皿屋豊(38=三重)、佐々木豪(24=愛媛)が脱落する一方、北日本からは二次予選を走った9人中7人が準決に進出。流れは北に傾きつつある。「地元の飯野祐太(36=福島)さんはもちろん北日本から何人かは(決勝に)乗らないと先輩たちに示しがつかない。準決も全力で」。10Rは混戦メンバーだが、単調な流れにならないのは大歓迎。泥臭く前々に攻め、もう一度結果を出す。