いわき平競輪開設70周年記念(GⅢ・いわき金杯争奪戦)が25日、開幕した。オープニングレースはGⅢ初参戦の菊池岳仁(20=長野)が1R1番車の〝期待枠〟に応えて逃げ切り勝ち。前日、練習中の事故で亡くなった同期・成清龍之介(21=千葉)さんの訃報が届く中、気持ちを切り替え、自らを奮い立たせての快走だった。

 先行泣かせの平バンクにも臆することなく、打鐘スパートで堂々と押し切った。大名マークの稲村成浩(49=群馬)を振り切る力強い走りに「タイミングを逃さず積極的に動けた。風はあるけどバンクは軽い。それに条件はみんな一緒ですから」と充実感を漂わせた。

 成清さんの訃報はこの日の朝、新聞で知った。「いきなりだったので…」と心は揺れたが「これで下を向いたり考え過ぎても何もできない」と気持ちを切り替えてレースに臨み、結果で応えた。「同期とは連絡を取ることができないので、開催が終わってから、ですね。自分にできることはしっかり走ることだと思います」。今はひたすら前を向き、自分の走りを貫くことに集中する。