久留米市営の小倉ミッドナイト競輪(FⅡ)は25日、開幕する。今シリーズはA級1、2班戦7R、ガールズ2Rの9R制で行われる。男子では2場所連続完全Vで9連勝の特別昇級挑戦となる野口大誠(31=熊本)に注目が集まる。

「特進しか狙っていない」と並々ならぬ決意で今開催に臨んでいる。2015年12月の京王閣GⅡ「ヤンググランプリ」で優勝。輪界最高峰レースのGⅠ「日本選手権」にも2回(16年3月=名古屋、同年4月=静岡)出場など、九州の大砲候補として出世街道を歩んでいたが、周囲の期待に応えることはできず、20年後期はついにA級降格。今期(21年前期)も続いてのA級暮らしとなっている。

 前期はコンスタントに白星を重ね、競走得点は94・43点(第9位)の好成績で来期(21年後期)のS級復帰はほぼ確実。今期も「楽をしてS級に戻ろう」と思っていたが、好事魔多し。初戦の久留米決勝で内側追い抜きによる失格。ひとつの失格事案による減点が原因でS級昇格が水の泡になった場面は何度も見てきた。野口も安穏としていた生活は一変。

「ぶっちゃけ失格で目が覚めた」

 練習に対し、これまで以上に真摯に向き合うと能力はすぐに開花。1月松山決勝は5番手2角からのまくり、前走の2月名古屋では同県の後輩・松尾勇吾(22=熊本)を足場にバック番手まくりで2場所連続完全Vを果たし、ひと足早いS級復帰へのチャンスを手にした。

 ただ、今開催はS級でも野口としのぎを削ってきた山本奨(32=岡山)、山田義彦(34=埼玉)の降級組や、予選には浅見隼(23=東京)と鈴木薫(21=東京)の成長著しい若手がズラリ。当然、包囲網も敷かれるが、強い信念とパワー、スピードで突き破ってA級生活に別れを告げる。