神奈川県の川崎競輪場で開催されている「第36回全日本選抜競輪」(GⅠ)は23日、最終日を行う。22日に行われた準決11Rでワンツーを決めた清水裕友(26=山口)と松浦悠士(30=広島)の中国コンビのムードが高まっている。
まくりで1着となった清水は「よかった~。連覇宣言しといて、決勝乗らんとカッコつかんかった」と胸をなで下ろした。昨年大会を制したものの、その後はグランプリは別としてGⅠ決勝から姿を消していた。思うような走りもできずモヤモヤが続いていたが、完全に吹っ切れた表情だった。
松浦は2着に続くと「ヒロトの強さが戻ったうれしさ半分、抜けなかった悔しさ半分」と振り返りながらも、前段の方が大きいことは笑顔が象徴していた。2人の笑顔を今年こそ、の思いがある。
昨年は松浦の先行に乗って清水がGⅠ初優勝となったが、松浦が直線で落車してしまい、すぐには喜びを分かち合うことができなかった。「今度は2人で一緒に喜びたい。無事にゴールを!」。その姿をファンに届けたい。輪界を支え、ファンの胸を打つ走りで盛り上げたいという思いが最高潮に高まっている。
決勝12Rは今開催の最強メンバーが見事に揃った。無観客というつらさを吹き飛ばし、見えない糸でつながるファンと喜びをともにする。この2人ならワンツーフィニッシュで、決めてくれるだろう。