神奈川県の川崎競輪場で「第36回全日本選抜競輪」(GⅠ)が20日、開幕。昨年、グランプリ出場の次点に泣いた“佐賀のよか男”山田英明(37=佐賀)が、悲願のGP出場へ改めて一歩を踏み出した。
今年もイバラの道を胸を張って歩む。昨年は悲願のグランプリ出場にあと一歩…で泣いた。最後の最後まで「自分には楽に決められるものじゃない。苦しんでつかみ取ります」と、傷ついた体で戦い抜いたが、報われることはなかった。11月競輪祭の後はボロボロの体を整え、じっくり調子を上げてきた。
今、「やっとGⅠが始まったし、気持ちも入ってきました」とハツラツとした表情。20日の初日特選11R終了後には、戦士のオーラが戻ってきた。レースは丁寧な組み立てで、先行態勢に入った関東勢の4番手をキープ。「最低限の位置は取れた」。3着だったが、こうして1手ずつでも勝利に、またよりよい着に近づくことが持ち味だ。
2015年8月に富山記念で決勝1着失格、昨年は9月伊東の共同通信社杯決勝で1着失格となり「GIIIもGIIも初優勝…が失格。GIでも? いやいや、そんなことは…」と深い傷も今では笑って振り返ることができるようになった。
心身の成長がある今、ヒデちゃんの悲願達成を誰もが願う。2日目の優秀「スタールビー賞」12Rは単騎でも攻め立て、そのリズムを加速させる。