神奈川県の川崎競輪場で開催される「第36回全日本選抜競輪」(GI)の初日(20日)の1Rに、古豪・稲垣裕之(43=京都)が登場する。昨年11月にGI競輪祭を走った後、3か月近く欠場を続けていた。

「交通事故に遭ってしまいまして…。左の脛骨(けいこつ)の骨折と、靭帯も損傷してしまいました」

 出合い頭の衝突で深い傷を負い「1本でも早く復帰したかったんですが、長引いてしまいました」と今節に至った。過去に大ケガは何度もあり「骨盤を骨折したこともありましたね」。不屈の闘志で復活した姿に感動を覚えたファンも多いだろう。今回も下を向くことはない。

 初日は一次予選1Rで近畿ラインを形成する。寺崎浩平(27=福井)を先頭に、松岡健介(42=兵庫)が番手で、稲垣が3番手。「健介にはずっと前で頑張ってもらっているんで」。前の2人を信頼して追走し、復活の一歩目とする。