広島競輪の「モーニング7」(FII)は12日、2日目を迎える。注目の117期5選手のうち、藤田周磨(23=埼玉)、上川直紀(24=栃木)、水森湧太(21=東京)の3人が予選を突破。セミファイナル3番勝負は彼らが人気の中心となるが、中でも注目は5Rの上川だ。

 待ちに待った開催だった。「父は広島出身で追加が来た時は『ヨッシャ―』って感じでした」。父・泰光さん(60)は高校時代、競輪選手になることを夢見て広島競輪場で練習していたが断念。その夢は息子の直紀が受け継ぎ、117期生として昨年7月に本格デビュー。親子二代の夢を実現させた。

 父の思いも背負って走った初戦の予選5Rは田山誠(33=長崎)の先行を5番手ホームからのまくりで仕留めた。「広島競輪場で1着を取ったことは、父が一番喜んでいると思います。おそらく『直紀、やったな』と言っているでしょう」。マークした菊地大輔(45=栃木)との栃木ワンツーはならなかったが、2着の田山に7車身差をつける独り旅。上がり12秒2は一番時計タイと抜群の動きだった。

 2日目5Rで準決3番のトップバッターを務める。「明日(2日目)も精一杯いきたいですね」。自身と父、2人分の思いを背負ってファイナル一番乗りを果たし、その後のレースを走る同期にプレッシャーをかける。