【松山ミッドナイト競輪】佐藤健太がイップスを乗り越え復活の道を描く

2021年02月10日 15時03分

佐藤健太

 松山ミッドナイト競輪(FⅡ)は10日、2日目を開催する。9日のオープニングレースは佐藤健太(33=福岡)が番手飛び付き策から抜け出して白星をゲット。2019年後期はS級、20年前期はチャレンジ、同後期はA級1班、そして今期は再度チャレンジ戦暮らしとなった裏には“イップス”があった――。

 17年6月にガールズケイリンの長沢彩(32=福岡)と結婚。入籍前に長沢の当時の登録地であった愛知に移籍した。その時は「優勝もしたかったけど、決勝では先行と決めていた」ほど本格先行タイプで鳴らしていたが、環境の変化は後に思わぬ負担を心身に強いることとなる。「移籍した身というのもあって休まずに練習に行っていたんです。それでずっと続けていて、ある日、もうダメだと思って休んだら次の日の練習では周囲に全くついていけなくなっていました」。もちろん誰が悪いわけではない。自身の責任感の強さに心がついていけなかった。

 競走でも力が入らなくなる時があり、医師の判断も仰いだ結果は「イップスのようなもの」だった。成績が半年後の級別に表れるのが競輪界。18年後期と19年前期はともにA級1班だったが、一方はS級点、もう一方はチャンレジ落ちの点数となった。ジェットコースターのような事象に「当時は変なプライドもあって、恥ずかしいなという思いがありました」と振り返るが「選手を辞めようと思ったことは一度もないです。競輪が好きですから!」。

 今では自身の状況を受け入れることができ「(級班が乱高下したのは)自分くらいしかいないですよ」と笑って話せるようになった。昨年11月には福岡に再移籍(長沢も福岡に移籍)し心機一転。まだ元通りではないが「踏み出しは良くなってきたし、これで徐々に踏める距離が長くなれば先行も…」と状態も改善してきた。近く父親になるだけに、今後は上昇あるのみ。強気なさばきに加え、逃げの決まり手が増え始めた時こそ完全復活と言えそうだ。

関連タグ: