松阪競輪FⅠ西日本カップは10日、注目の最終日を迎える。12RS級決勝は稲川翔(35=大阪)がライン3車の番手で抜け出しを図るが、スピード非凡な河端朋之(36=岡山)や気配光る皿屋豊(38=三重)の反撃は必至。激戦模様の最終レースだ。今回は近畿の先頭を任され気合パンパンの中西大(30=和歌山)を取り上げたい。

 9日の10R準決は前を託した藤井栄二(30=兵庫)がライン2車で果敢に赤板先行。まくり追い込みの竹内雄作(33=岐阜)には屈したが、藤井の番手から踏み込んで2着に入った。「僕に技術がなくて残せなかった。調子が上がってきたからそのうち決勝に乗れると思っていたが、ほんと藤井君のおかげです」。昨年6月以来の決勝シートを得て藤井に感謝した。

 今節は弟子の張野幸聖(20=和歌山)と一緒に参加。「恥ずかしいレースはできないですよね。自分が下手な走りをしたら、弟子がそれでいいんだと思ってしまう。『しっかりした走りをしなければ』という気持ちがより一層強くなりました」。初めて弟子をとったことで積極性がさらに増した。

 決勝は近畿3人。実力者の稲川にあいさつをして「任せてもらえたので精いっぱい頑張ります」と語気を強めた。決勝は弟子にフルスロットルの逃走を見せる。