奈良競輪(FⅡ・チャリロト杯)は8日に最終日を迎え、決勝戦が争われる。12RのA級1、2班戦の決勝は貴志修己(25=和歌山)に地元・小笹隼人(30=奈良)と小谷実(33=京都)で並ぶ近畿勢が強力布陣だが、注目はA級1、2班の初優勝を目指す小笠原光(24=岩手)だ。

 準決は単騎ながら3番手まくり1着。昨年10月の特別昇班後、4回目の決勝進出を決めた。「単騎はわからんっす! ちゃんとした自力を出せていないから師匠(佐藤友和、37=岩手)から何か言われてしまうかな」と振り返りつつもスピードは存分に見せた。
 
 デビュー当初は師匠のからの「カマシを覚えてこい」というアドバイスもありダッシュを生かした走りから入ったが、その後は「少しずついろんな戦法を」取り始めている。また「弟子の中では怒られている方です」と、佐藤に目をかけてもらっていることを笑いまじりに話しつつ「ちゃんと選手にしてもらったし、上(S級)にいってそれに応えたい」。恩を返すことを心に誓っている。

 同期には寺崎浩平(27=福井)や山口拳矢(25=岐阜)、町田太我(20=広島)らS級で優勝している選手も多く「みんな(活躍が)早いんすよ!」と苦笑い。ただ選手生活はこの先の方が長く、成長の過程も人それぞれ。今は「ここ(A級)で脚力をつけて自力で勝てないとS級では話にならない」と己を信じ底力アップを図る時期。ライバルに追いつくため、師匠にいい報告をするため、決勝は「1、2班の初優勝を狙って」力走を見せる。