今回の「深谷知広の競rin世界挑戦」は、1月に行われたナショナルチームの沖縄合宿の意味について、詳細な説明がなされている。また、あの人気おじさんレーサーの強さの秘訣とは…。

 みなさんこんにちは、沖縄合宿が終了した深谷知広です。

 コロナウイルスの影響で移動の自粛が呼びかけられている中での沖縄合宿、ということで様々な意見があると思いますが、チーム全体で感染対策を徹底し、出発前にPCR検査を行い、陰性を確認してから出発、現地でも定期的に検査、全員の陰性を確認し続けてトレーニングに励みました。

 年末年始のオフ期間からそのまま突入したので心肺機能の鍛え直しからで、スタートから苦しい練習が続きました。普段の練習と違ってロードの強度が高く、一度は中距離チームと一緒に走るメニューもあり、普段と違う刺激も得ることができました。そして合宿恒例の超大ギアでのトレーニングは週2回入っていて、週末に向かって強度が高まっていくので日に日に憂鬱になります…。

 わざわざ環境の整っている伊豆から離れる意味はあるのか?と思うかもしれませんね。慣れた環境から出て不慣れな環境で体を追い込むことによって、一番パフォーマンスを出さなくてはならない海外での大会の時に大きな支えとなります。そのためにも普段以上に不自由な環境で、普段以上の強度でトレーニングできる環境を求めて、海外や今回の沖縄のような温暖な気候の地で合宿を行っています。

 今回は普段と違い日本での合宿ということもあり、沖縄に練習拠点を置く佐藤慎太郎さん(福島・78期)もチームの練習に参加しました。私は地区も年齢も離れているのでレースに参加した時にお話をする程度でしたが、今回の合宿を通してなぜ44歳にして最高峰のS級S班に在籍できているのかがよく分かりました。

 我々ナショナルチームのトレーニングは一般的な競輪選手のトレーニングとは違った取り組み方をしていて、私自身も適応するのに時間がかかりました。しかし慎太郎さんは練習に参加しながら周りの様子を見て自分で考え、合わせようと行動していました。自分の中で消化しながら分からないところを聞いて取り入れようと努力しているように見えました。

 そしてシンプルに強かった(笑い)!!

 体力勝負のこの世界で、10歳以上年齢の離れたナショナルチームメンバーと遜色ないくらいのメニューを実行してピンピンしているんですからすごいことです。長い間、同じ世界にいると考えが狭まってきてしまいがちですが、慎太郎さんは環境の変化にも対応できる体と柔軟な頭を兼ね備えているからこそ、年齢を重ねてもトップで活躍し続けられるんだと感じ、今回の合宿で大きな刺激を与えてもらうことができました!

 私も今後の選手生活にしっかり反映させられるように全力で取り組んでいきたいと思います!

 そして静岡に移籍して最初の競走、豊橋GⅢが終了しました。合宿後の参加で疲れがあって不安が大きかったけどその中でも戦えた感じです。でもGⅠでは到底戦えないですね。今後は南関で自力としての存在をアピールしていきたいです。 

 ☆ふかや・ともひろ 1990年1月3日生まれ、愛知県出身。169・8センチ、79キロ。桜丘高卒業。競輪のトップ選手で自転車競技の日本代表。