向日町競輪S級シリーズ(FⅠ)が25日に初日を迎えた。A級予選4Rはベテランコンビが躍動。ラインの先頭を走る古賀勝大(和歌山=29)が突っ張り先行に出ると、番手の酒井耕介(京都=56)がにらみを利かせて別線をけん制。別線が行き切れずとみるや、酒井が直線を突き抜けた。

 酒井は「1着が長いこと取れなくってねえ…。一昨年の8月以来ちゃうかな? 古賀君から売れていたし、古賀君とお客さんに悪いことをしたわ(笑い)」 。たしかに1着は2019年の8月弥彦S級シリーズの最終日以来。地の利を味方につけたベテランがはつらつとしている。

 ラインの3番手を固めた中沢孝之(大阪=55)がしぶとく2着に続いた。酒井とは同期の間柄だ。「酒井さんは1個上、強いですよずっと。自分は精一杯でした。骨盤骨折やら体調不良やらで流れが悪い中でコロナでしょう。精神的にガタっときていたし、最近は初日4着ばっかり。きつい中、結果がでて良かった。今後に向けてヤル気がでた」と気力も戻った。

 若手機動型を重視するだけではなく、ベテランマーカーたちに車券を託すのもレースのだいご味のひとつ。 両者合わせて111歳のワンツーはコクがあり競輪ならでは。このような番狂わせがあるから面白い。