立川競輪開設69周年記念(GⅢ・鳳凰賞典レース)の決勝戦が7日に行われ、平原康多がアクシデントにも動じずまくりで郡司浩平、清水裕友を撃破し優勝。昨年10月京王閣以来、通算25回目のGⅢ制覇を果たし2021年最高のスタートを切った。

 不測の事態にも動じることなく、冷静かつ力強く勝ち切った。前を任せた鈴木庸之が打鐘前に車体故障で脱落するアクシデント。人気を背負う立場として平静さを失ってもおかしくない場面だが、平原は状況を見極めすぐに次の手を打った。

「郡司に(3番手に)入られそうになったところで気持ちが切り替わりスイッチが入ったのですぐに(位置確保に)動けた。あとは竜士にもチャンスがあるように走ろうと思いました」。

 郡司の先行を最終2角から仕留めたスピード、迫力はまさに絶品。「3日間動いていたのが(自力発動への)気持ちの切り替えにつながったんだと思います」。準決までの3走はすべて脚をフルに使った自力勝負。自力の感覚が研ぎ澄まされていたことが、ここ一番での最善手に結び付いた。

 年明け初戦を最高のスタートで飾り、存在感を改めてアピール。今年も「タイトルを取ってグランプリへ。どこを走っても一戦一戦全力で」という大命題は変わらない。昨年のグランプリで脇本雄太の番手を回ったことも「いろいろ考えるきっかけになった。必ず先に生きる」と目を輝かせる。さらなる進化を誓う第一人者が、今年も競輪界を力強く牽引する。