トータルサイクリストが東スポ競輪コラムに登場だ! 新村穣は現在、日本競輪選手養成所の119回生として競輪選手となる訓練を受けている自転車界の逸材。入所前から世界各国の大会、多種目で活躍し“トータルサイクリスト”と呼ばれる男が、5月に入所した養成所について心を込めたリポートを行っていく。


 東スポWeb読者のみなさま、こんにちは! 日本競輪選手養成所(以下、養成所)第119回選手候補生の新村穣と申します。現在、養成所およびトラック中距離ナショナルチームに在籍し、職業としてプロの競輪選手となることを目指しています。また、自転車競技者として2024年パリ五輪を目標に活動もしております。

 そんな私が1年の間、身を置く養成所での出来事をお伝えすることで、119回生、120回生(ガールズ)のデビューを心待ちにしてくださっている方々、関係者のみなさま、そしてこれから入所を考えている人たちへ、より興味関心を持っていただければと思っています。

 養成所は「競輪学校」として長く親しまれてきましたが、令和への改元とともに名称を変え、新しい歩みを始めています。「世界でも通用するプロ競輪選手を養成する」という方針の下、昨年落成された室内競走路「JKA250」を走れたり、世界で活躍を続けている短距離ナショナルチームのトレーニングを取り入れたりするなど、訓練内容も大きく変わっています。

 養成所となった後、すでに117期、118期として、先輩方が同様の訓練を経て各地でデビューを迎えました。新しい訓練は、より速いスピードで迫力のあるレースを走るため、とても苦しく、継続するには強い精神力が必要になります。ですが、先生方のご指導と男女総勢94人の同期生の存在、入所まで支えてくださったたくさんの方々の応援がペダルを踏み出す力を与えてくれていると日々実感しています。

 現在は昨今のコロナ禍により、外部の人との面会や日曜に許可されていた外出を行うことが難しくなっています。直接会える日がいつ来るのかは分かりませんが、毎週末の1時間のみ、講内で自身の携帯電話の利用が特別に認められています。練習仲間やご家族、ご友人に限らず、もし身近に選手候補生をご存じでしたら、ぜひたわいのない会話やエールなどのご声援を、メッセージなどで送ってくださると、外の世界と現実的な距離が遠くなっている私たちにも、心理的に身近に感じることができます。よろしくお願いします。来年には今より一層成長した姿を全国の競輪場でお見せすることができるはずです。

 とりとめのない文になってしまいましたが、来月以降もみなさまの手元に養成所の様子をお届けできるよう、精一杯、執筆してまいります!

☆しんむら・みのり 1993年10月16日生まれ、26歳、神奈川県出身。177・7センチ、73キロ。法大卒。実業団チーム「CS Slinger(シーエススリンガー)」を自ら立ち上げ、世界各国の大会に参加する国際派。トラック中距離、ロードだけでなく様々なレベルで活躍するため“トータルサイクリスト”と呼ばれている。自転車競技トラック中距離種目の強化指定選手Bに選ばれており、パリ五輪出場を目指している。