【深谷知広の競rin世界挑戦】競技によっても人によっても違ってくる“集中力”の作り方

2019年12月03日 16時00分

W杯第3戦(香港)のチームスプリント発走直前の深谷知広(左から)、新田祐大、雨谷一樹

 みなさんこんにちは。2020東京五輪の出場枠獲得のための最終シーズンに突入し、海外を転戦中の深谷知広です。今回は競技者のみならず一般の方でも必要となる「集中力」についてです。最近私が感じた競技特性や人によって違う「集中」の持っていき方について書いてみたいと思います。

 先日、ワールドカップの映像を競技を知らない友人と見ていた時に「中距離の人ってレース前もリラックスしてるね」と言われ、確かにそうだ!と思わされました。私なりに考えると、中距離種目は競技時間も長くレース前から緊張感を張り詰めていては精神的に持たないんだろうと思います。逆に短距離では一瞬の決着になるのでレース直前には最大限張り詰めて挑む特性があります。

 このように競技特性でも集中力の作り方は違ってきますが、同じ種目でも人によってさらに違うんです。以前対戦したスプリントの現世界チャンピオンのハリー・ラブレイセン(オランダ)は個性的でした。私がチームピットにいる時から徐々に集中力を高めて、出走前の待機場所に行くころには最大に持っていっているのに対し、彼はまだその場所(ピット)ではチームスタッフと談笑していたのです。そして前のレースが始まり、大会スタッフから準備の合図があると豹変し突然うなりだして一気に集中力を高めていました。

 どの方法が良いかは分かりませんがこのように種目、個人によっても様々な方法があります。それが競技のパフォーマンスに大きな影響を与えることは間違いないと思います。

 一番分かりやすいのがワッキー(脇本雄太)の例ですね。彼の以前の集中方法は競輪ファンならご存じの“パフォーマンス”と呼ばれてしまっている、とても大きく深呼吸をしたり、体を叩いたり大きな声を出したりして自らを鼓舞してレースに挑むスタイルです。しかし現ナショナルチーム体制になり、メンタル面まで指導が入ると、彼にあの集中方法は合っていないということで現在は落ち着いた方法に変わっています。それ以降の彼のパフォーマンスを見れば一目瞭然だと思いますし、実際に彼自身も大きな変化があったと語っています。

 このように我々ナショナルチームでは、身体的のみならず精神的な面からのパフォーマンスアップにも取り組んでいます。今回は目に見えないところの話にしてみました。次回は何について話そうか考え中ですが、一番はW杯転戦後にここで良い結果報告をみなさんにできることだと思うので引き続き全力で頑張ります。 

☆ふかや・ともひろ=1990年1月3日生まれ、愛知県出身。169・8センチ、79キロ。桜丘高卒業。競輪のトップ選手で自転車競技の日本代表。

主な自転車競技歴=オーストラリアユースオリンピックフェスティバルのスプリント、チームスプリント優勝。第62回国民体育大会スプリント優勝。第15回アジアジュニア選手権大会スプリント、ケイリン、チームスプリント優勝。今年2月アジア選手権大会1Kmタイムトライアル優勝。

主な競輪実績=史上最速S級特別昇級(デビューから56日)、史上最速GI初優勝(2011年6月高松宮記念杯)、寛仁親王牌(14年7月)のGI・2勝。ルーキーチャンピオンレース(10年4月)、ヤンググランプリ(10年12月)、西王座戦(12年2月)、サマーナイトフェスティバル(14年8月)優勝。

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