【深谷知広の競rin世界挑戦】ナショナルチームのトレーニングをマネしても効果が出にくいのはナゼ?

2019年05月07日 14時00分

フル装備でレースに挑んでいる私を新田(祐大)さんが撮ってくれた写真です
 みなさんこんにちは、ナショナルチームで全力トレーニング中の深谷知広です。

 今回は読者のみなさんだけでなくそれ以上に競輪選手たちが気にしているナショナルチームのトレーニングについて、また私が考える競輪選手のトレーニングの問題などについて、書いてみたいと思います。
 
 最近、ナショナルチームの選手が活躍していて、そのトレーニング内容などが話題になっています。SNSを見ていると、まねをして超大ギアを使っていたり、ジムトレーニングで似たような種目を行っている状況を見るようになりました。
 
 私自身にも直接質問が来て「ギア何倍でやってる? 重りは何キロでやってる?」というようなことを結構聞かれます。ですが、その質問の返答はとても難しいのです。あまりにも表面的すぎて答えが見つかりません。この質問にはギアは5倍とか…重りは500キロとか…という返答しかできないのです。ここで問題なのは表面的なまね、簡単なことだけをまねしようとしていること。
 
 深い部分の、どれくらいのスパンで何を意識してやるのか、などを理解しようとせずにこれだけの高負荷の練習をしたら一度パフォーマンスが落ちる時期が必ず来ます。それですぐにこの練習は合わない…とやめてしまう選手がほとんどです。
 
 ナショナルチームの練習は外から見たら派手な練習に見えますが、一番はそこではなく監督、コーチのコーチングやスケジューリングがあり「何を強化するか目的を明確に持って行っているトレーニング」というのが非常に重要です。それに対してある程度の犠牲を払ってトレーニングをしているからこそ成果が出るのだと思います。
 
 競輪選手は一年中レースがあり、出走しないと収入がなく、走るからにはお客さんの期待に応えるために体調を整えないといけません。ですのでトレーニングで体を追い込み切れずに中途半端な練習しかできず次のレースに…の繰り返しになりがちです。
 
 そこで負の連鎖が生まれ、競輪選手全体の競技レベルが上がらない原因になってしまっていると思います。これを解決するのはとても難しいことですがこのような問題点を認識し、改善できることを実践していくことが重要だと思います。
 
 以上、とても専門的な話になってしまいましたが、あくまで個人の見解で問題点を語ってみました。このようなことをアウトプットすることによって、私自身もこの問題を再認識して自身の成長につなげられたら、と思っています。また、これを読んだ競輪選手が成長するきっかけの一つになってくれたらうれしいです!
 
 松戸ダービーは決勝に乗れましたが、9着という結果でした…。ですが、シリーズ通してしっかりレースができたし、いい経験になりました。まずは月末からのロシア遠征に集中します。結果を出さないといけないので、全力で行ってきます!
 

☆ふかや・ともひろ=1990年1月3日生まれ、愛知県出身。169・8センチ、79キロ。桜丘高卒業。競輪のトップ選手で自転車競技の日本代表。

主な自転車競技歴=オーストラリアユースオリンピックフェスティバルのスプリント、チームスプリント優勝。第62回国民体育大会スプリント優勝。第15回アジアジュニア選手権大会スプリント、ケイリン、チームスプリント優勝。今年2月アジア選手権大会1Kmタイムトライアル優勝。

主な競輪実績=史上最速S級特別昇級(デビューから56日)、史上最速GI初優勝(2011年6月高松宮記念杯)、寛仁親王牌(14年7月)のGI・2勝。ルーキーチャンピオンレース(10年4月)、ヤンググランプリ(10年12月)、西王座戦(12年2月)、サマーナイトフェスティバル(14年8月)優勝。

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