【皐月賞】ファンディーナ破格ラップで余裕の3馬身先着! 岩田「あとは馬の能力を信じて乗るだけ」
【69年ぶり牝馬皐月賞(日曜=16日、中山芝内2000メートル)制覇へ無敗ファンディーナの挑戦(集中連載3)】2017年の3冠初戦に重賞勝ち馬計11頭エントリーと例年にも増して豪華メンバーだが、ファンが最も注目するのは全戦楽勝、無傷のV3で牡馬戦線に殴り込みをかけてきた牝馬ファンディーナ(写真左)。その最終調整(12日)の走りを栗東トレセンからお届けする。
デビュー3戦、いずれも中3週の間隔を取っての出走。今回もフラワーCから同じレース間隔とあって「すでに馬体はできているので(強い)稽古はいらない状況。あとは穏やかにレースに持っていくだけ」と高野調教師は本番までの調教テーマをこう話す。その言葉通り1週前追いは栗東坂路で残り1ハロンの感触を確かめる程度のもの。「後ろから行ってかかるところがまったくなかった。馬体をガレさせないようにやってきたけど、思いのほかカイバ食いは落ちなかったですね。冷静さを保っていますから」と満足そうだった。
前回が装鞍所からパドックまでいくらかうるさかっただけに、過度な高揚は避けたい意向だったが、それも難なくクリアできて“偉業”達成へ向け準備は着々と進んでいる。
最終追い切りはいつものように坂路1本目をキャンターで駆け上がった後の2本目に敢行。同厩の3歳未勝利馬インヘリットデールを1馬身追走する形でスタート。前日の降雨で重たい馬場だったうえ、高野厩舎が追い切る時間帯は開場15分後なので、この日はかなりの悪コンディション。そのため「馬体もできているし、今朝の馬場なら無理しないようにしました」(高野師)と言うように、道中はゆったりとしたペースで入って残り1ハロン標識手前で馬体を併せる。
最後も軽く促される程度だったが、それでも4ハロン54・5―39・5―26・2―13・1秒と、馬場状態を考慮すれば破格といっていい時計をマークして3馬身先着した。
自厩舎へ引き揚げてきた時には息の乱れは皆無。心肺機能の高さは疑いようがなく、体幹がしっかりしていて軸がブレないのが、デビュー3戦の圧勝、この日の悪馬場克服につながっている。
「一線級の牡馬との対戦になるけど、スピードとパワーがあって名牝に育つと思う。この馬のスタイルを崩さずに自分のリズムで運びたい。あとは馬の能力を信じて乗るだけ」と大一番を前に手綱を任される岩田も気合が入っている。
日本競馬史を塗り替える存在になり得ることを多くのファンが感じている馬。父ディープインパクト並みの衝撃的な走りを見せる態勢は整った。
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