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競争力の低下につながる「JRAのシステム」


【競馬増強へ…現場からの提言】先月中旬、栗東の角居勝彦調教師が来年の2歳馬(12年生まれ)を一頭も預からないことを自身のブログで明言し、トレセン内外に大きな反響を呼んだ。

 プロ野球に例えれば、ドラフトを完全ボイコットしたようなもの。それが“世界を制した”トップステーブルの決断なのだから、むろん尋常な出来事ではない。

 発端は今年3月に従来の馬房の3倍(20頭を超える分の係数は2倍)から2・5倍へと引き下げられた預託頭数の削減だ。メリット制で28馬房を有する角居厩舎は従来なら76頭まで預かれたのだが、新規定では70頭がリミット。「勝てば勝つほど馬の入れ替えがうまくいかなくなる」というアンチテーゼを身を切って示した抗議だろう。これに対するJRAの反応はこうだ。

「角居調教師に関しては自分の判断で決定したことなので、私たちがお答えすることはできない。ルールは決めたので、それに関しては、おのおのが判断してということになる。28馬房の厩舎には影響があったと思うが、まずは状況を見たい」

 冷ややかと言えば冷ややか。ただし、単なる下位厩舎への救済措置として預託頭数削減を決定したわけではないというJRAの言い分がそこには含まれる。

「トレセンの馬房を効率よく回転させるため、馬房数の3倍という上限を決めた。3倍になったことで登録頭数そのものは確かに増えたが、競馬に出走できる頭数には上限があり、出走頭数そのものは大きく変わらない(パイには限界がある)。そのため出走困難な状況が常に生まれており、条件馬については、導入前よりも出走回数が落ちているというデータも出ている。平成23年12月から段階的に馬房数を減らしていくことを決定したのは、こういった経緯がある」

 確かに年に数回しか出走しない馬に対してファンが愛着を持つことは難しく、戦力の余剰は「記憶のスポーツ」とされる競馬の魅力を低下させることにつながる。だが、これが厩舎運営にブレーキをかけるシステムであるならば話は別。トップステーブルが実力をフルに発揮できない状況は、全体の競争力の低下につながるからだ。

 昨今は外国人や公営出身者に押され、JRA育成騎手(競馬学校出身者)の活躍の場が狭まっているが、これは騎手に限った問題ではない。トレセンの価値、そしてJRAのシステムそのものが今、時代に問われていることを同時に認識しておく必要がある。

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