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【オークス】ラッキーライラックはアーモンドアイを逆転できるか


調教後にシャワーを浴びて気持ち良さげなラッキーライラック

【オークス(日曜=20日、東京芝2400メートル)厩舎担当・石川記者が迫る】桜花賞で初黒星を喫した馬のオークス制覇は過去4例(別表参照)。アーモンドアイに完敗を喫したラッキーライラックの巻き返しは果たしてあるのか? 今年のオークスの最大の焦点だ。風貌はまさにおっさんながら、担当厩舎へのピュアで愛のある取材が売りの“おっさんずラブ”石川吉行記者が、逆転の可能性に迫った――。

 アーモンドアイの爆発的な末脚の前に、なすすべなく屈した桜花賞。レース後の検量室では、VTRを見ながら長い間、意見を交わすジョッキーとトレーナーの姿があった。

「イメージしていた競馬はできたんですが、一瞬にしてかわされてしまったので…」と石橋。それを受けた松永幹調教師は「プレッシャーのかかる1番枠でも、馬の力を出し切る競馬はしてくれました。よく走ってくれたと思います」。

 両者ともに悔しさをにじませながらも、どこかサバサバしていたようにも映ったのは、アーモンドアイの強さがあまりにも圧倒的だったからなのか。

 印象的だったのは松永幹調教師の以下の言葉。「相手が想像以上の脚を使いました」と発言した後、即座にこれを打ち消し、「いや、違いますね。勝ち馬は思っていた通りに強い馬でした」と言い直したのだ。

 その理由はアーモンドアイが関西圏で初めてその破壊力を存分に発揮したシンザン記念の前にまでさかのぼる。管理馬プリュスを、シンザン記念に出走させるか、手堅く自己条件に回すか、思案していた松永幹調教師は「今年のシンザン記念はメンバーが強いと思うんですよ」と切り出した後、「前走を見ると、特にこの馬は相当に強いと思う」。重賞で実績を挙げてきた牡馬たちを差し置いて、真っ先に指し示した馬こそが、当時は未勝利戦を勝ち上がっただけにすぎなかったアーモンドアイだった。

 結果、プリュスは8着に終わり、その強さを目の当たりにする。

 断然の1番人気で迎えることは分かっていながら、「桜花賞は簡単に勝てるレースではありません」と言い続けたトレーナーに、「“あの馬が来るだろうな”とは思っていました」と直線での追い出しを遅らせたジョッキー。戦前からアーモンドアイの強さは“織り込み済み”だったのである。

 ライバルをそこまで警戒しながらも、1馬身3/4差の完敗だった桜花賞。仮に条件が同じなら、逆転は不可能にも思える。ただし、牝馬第2冠は一気に距離が延びるうえに、直線の長い東京コースで行われる。オークスは桜花賞とはまったく異質の競馬と割り切れば、話は違ってくるはずなのだ。何せ「マイルからのデビューとなりますが、跳びが大きくて、いい走りをする馬。きっと距離が延びていいタイプですよ」とデビュー前から松永幹調教師が話していた馬こそが、このラッキーライラックなのだから…。

 2歳女王の座に就いた後、ウッドで普通キャンターを行う姿を見て「本当にすごいよ」と誰に話すでもなく、感嘆の声を漏らしたことがあった。「成長力」を指しての言葉かと思っていたが、「その成長力を考慮したうえで、普段からウッド2周など、負荷を強めた調教を課しているんですが、まったくへこたれる様子がないんですよ。こういう馬も珍しいですよね」と、その「スタミナ」に驚いていた。だからこそオークスへ向けては、「ここまでのレースではいいスピードを見せてくれていますが、スタミナを問われることになれば、もっと良さを出してくれると思うんです」と迷わずストロングポイントに「スタミナ」を挙げることができるのだ。

 確かにアーモンドアイを打ち負かすのは難しいミッションだろう。ただ、桜花賞前は“普通に走れば勝てる”ともてはやした周囲の声にも、冷静に対処していた陣営だからこそ、“普通に走っても勝てない”と一気に風向きが変わっても、まったく動揺は見られなかった。ただ、ひたすらに、さらなる進化を目指して、スタミナを養う調整を続けることができたのだ。

 尻尾を立てる独特のフォームで堂々とウッドを駆け抜けるラッキーライラックの姿を見ていると、逆転で女王の座に返り咲くシーンも想像に難くないように思えてくるのは俺だけなのだろうか。

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