元ガールズケイリン選手の高木真備さん(引退=106期)が2日、都内で保護犬、保護猫の活動に関するトークショーを行った。5月に競輪選手として引退した後、様々な施設で勉強中。そんな現在の思いを、熱く語った。

 ガールズケイリンの選手を引退してからは、各地の施設や猫カフェなどを訪れ、保護犬、保護猫などの実態を学んでいる。

 中でも衝撃を受けたのは「飼えなくなったというので、犬を手放しに来るところを見学させてもらいました。犬はおすわりしたまま飼い主が去っていくのを見ていて、また帰ってくると思っているんだろうなと…」というシーンに立ち会ったときで、涙が止まらなかったという。

 NPO法人みなしご救援隊の「犬猫譲渡センター」で勉強するにつれ「保護犬や保護猫がかわいそうだから助けたい、と思っていたけど、もっと大事なのはそういう犬や猫が生まれないようにすること。飼い主が手放さなくていいようになることが必要」と強く感じた。ペットを安易な気持ちで飼い、人間の都合で手放すのは違う…。

 また「飼い主が高齢になったり、病気になったりして飼えなくなることもある。そんな時にどうするか、まで考えてから飼い始めるとか、周りとの協力を準備しておくとか」の重要さも感じた。

 人間のエゴによる配合で、障害を持って生まれた猫にも接した。神奈川県の関内で猫カフェ「ミーシス」を開いて保護猫を支えている能勢亜弓さんに多くのことを教えてもらっており、「今はまだ知識がないので、どういう活動をとは。はっきり分からない」と勉強の真っ最中だ。

 それでも、すぐにでも、何か力になれないかの思いは強く「私に何ができますか」と犬猫譲渡センターの職員に尋ねると「発信すること」という返事だった。ガールズケイリンで大活躍し、多くのファンに愛され、そのつながりは今も生きている。

 競輪ファンや関係者と連動することで、この活動の輪を広げることが今の使命だ。

 頭に浮かんでいるのは「ガールズ選手にも賛同してくれる人が多いし、競輪とつながってこうした動きを広めていければ…」。競輪場は広いスペースもあり、地域と有機的な交流を持ちやすい場所だ。新しい道に挑戦する真備さんの確かな活動が、始まっている。

 ☆たかぎ・まきび ガールズ3期(106期)として大活躍。ガールズグランプリ2021(静岡)を優勝後、今年4月に電撃引退発表、5月に選手手帳を返納した。現在は保護犬や保護猫を救う活動の勉強中。