大宮競輪の「東京スポーツ杯」(FⅡ)は24日、最終日を行う。決勝進出を逃した板根茜弥(32=東京)だが、ガールズ一般5Rに特別な思いを乗せる。

「一般戦の女王に戻ります」

 デビューしてしばらくは鳴かず飛ばず。しかし、最終日の一般戦では白星が多く、一般戦だけで「9連勝かな、したんですよ」。いつしか〝一般戦の女王〟という地平の低い異名を取るようになった。

 そこからは着実に力をつけ、決勝の常連へ。優勝も果たした。今年の始まりには「平原(康多、39=埼玉)さんに自転車を取ってもらう。そのために競輪祭の時のガールズグランプリトライアルに出場する」という高い目標も立てた。レース後に平原に迎えてもらう瞬間を、タイマー設定した。

 だが、悪夢が時計を破壊する…。3月の宇都宮の落車で手にケガをしてしまい、4か月の欠場を余儀なくされた

「今年はもうダメだから、来年です! この一般戦を勝って、そこからつなげます…。平原さんに自転車を取ってもらうために。私は不純な動機で復活します!」

 予選落ちを喫し、落ち込む暇はない。「平原さんへの愛!」に、また今、火が付いたのだ。1番車から好位を確保して、直線伸びて1着取り。壊れた時計を組み立て直す。

※現在、コロナ対策で自転車取りは禁止されているが、来年11月には解除されていると想定