川崎競輪場で12~14日、S級シリーズ(FⅠ)がナイター開催で行われる。初日(12日)の6、7Rではガールズケイリンも実施。7Rに挑む佐々木綾(21=福島)の近走は、積極的に逃げている。明確に「意識しています」と瞳を輝かせた。

「自分がこれから、どんな競輪選手になりたいんだろうって考えて。このままだったらつまんないな、って」

 3月地元のいわき平を走り、予選を4着、6着で決勝に乗れなかった。「次に地元を走っても、今のままじゃ決勝に乗れない」。何かを変えないとダメだ、と思い苦しい先行の道を歩み始めた。

 ガールズケイリンは男子の競輪と違いラインがない。ために、先行は基本的に不利な戦法とされる。しかし、それに挑むことは必ず大きな成長につながる。

「まだまだ時間はかかると思うけど、早くやっていかないと。本当はデビューしてすぐできればよかったんですが、45点とかしかなくて、挑戦もできなかった」

 自分の道が定まらず不安そうな目をしていた時期もあった。もう、そんな自分とはおさらば。172センチの長身から繰り出す、伸びやかな先行は希望の光を放っている。