【Fresh! ガールズケイリン】同期で白星一番乗りの加藤舞 体を張る父の姿に感動

2019年11月19日 16時00分

競走用のフレームに特注で「Mai.K」と名前を入れている加藤

 今年7月、青森競輪場でデビュー戦を迎えた加藤舞(22=秋田・116期)は熟練の先輩レーサーを相手に直線追い込みを決めて快勝、116期の白星一番乗りを果たした。2戦目以降は苦戦が続くも、日を追うごとに成績はアップ。初優勝を目指して現在奮走中だ。

 デビュー戦で初勝利を挙げた加藤。116期で初の1着を獲得し、一躍注目された。「結局は最初だけでしたけどね。あのときは絶対に勝ちたいという気持ちで臨みました。結果が出て良かった」と振り返る。116期の参加するレースで一番早い配分だったこと、そして最初のレースだったこと、さらに結果を出せた。ある意味“持っている”人物なのかも。

 しかし「2日目以降は無理に突っ張ってみたりして大敗。リズムを一気に崩してしまった」と、厳しい表情を見せる。デビュー2戦目の西武園はオール7着、続く8月平塚で⑥⑥③、福井⑦⑦⑥と不振を極めた。「でも、原因は精神的なもの。脚自体は変わらないけど、気持ちを切り替えて臨むようになってから」成績はアップ。9月松戸で④②(7)で初優出を決め、徐々にその実力を発揮している。

 競輪選手になったのはやはり父であるS級で長く活躍した加藤忍氏の影響だ。「小学生のころくらいから父が競輪選手だということは認識していました。でも、実際に競輪を見たことがないし、父は父でたまに家を空けるけど、普段はごろごろ昼寝をしている姿しか見せない。競輪選手って、いい商売だな~と子供心に思っていました」。転機は負傷して帰宅する父を目の当たりにしてからだ。「大きなマスクをして帰ってきたんです。マスクを外したら鼻がめちゃくちゃひん曲がっていて、びっくりというより、思わず笑ってしまった。でも『顔から落ちた』という父の話を聞いて体張っているな~っ」と、感動した記憶があるという。その後、実際に競輪を観戦して「人の力でここまでスピードが出せるのかとびっくり」。小学2年の時からバスケットボールをしていて体力には自信があり「競輪選手になりたい」と忍氏に告げたという。

 最初は驚いていたという忍氏だが競輪学校入学までマンツーマンでコーチング、今でも「バイク誘導をしてもらっている」という。当面の目標である「初優勝」に向かって親子でまい進する。

 ――サドル部分がおしゃれなフレームですね

 加藤 もともと黒が大好きな色だったので、フレームの色とこの(サドル付近の)名前のプリント部分はメーカーに特注しました。父の現役時代を知っている先輩選手から父譲りのブラックフレームだねと言われています。

 ――結構、高かったのでは

 加藤 1台30万円。同じサイズ、色で2台、さらに、その他もろもろの部品代がありますので…。

 ――60万円以上…

 加藤 代金は父に立て替えてもらいました。分割返済だと、受け取ってもらえない可能性があるので、今はこつこつとためて一括で返済する予定です。当面の目標は、早く稼いで、一日も早く父にフレーム代を返済することかも(笑い)。

 ――オフの楽しみは

 加藤 私、お酒が大好きなんです。結構、飲みますよ。お酒が強いのも親譲りなのかも。今、はまっているのはハイボール。いくらでもいけますよ。 

☆かとう・まい=1997年5月1日生まれ。秋田県出身。116期として7月青森競輪場でデビュー。師匠は父である加藤忍(59期=引退)。