【福岡ボート・マスターズチャンピオン:カウントダウンコラム(4)】いよいよ明日17日、ボートレース福岡でプレミアムGⅠ「第19回マスターズチャンピオン」が開幕する。今大会から年齢制限が45歳以上に変更されて、現役バリバリのSG組が大量流入し、出場メンバーがガラリ一変。艇界の礎を築いてきたベテランたちによる“技の競演”は必見だ。恒例カウントダウン連載は「われら真のマスターズ」と題し、最ベテラン勢をピックアップ。最終回は前年を含め通算最多3Vを誇るレジェンド今村豊(56=山口・48期)。

 今回の出場選手中、唯一の登録番号2000番台。年齢的にも、最も“損をする”立場だが「45歳だろうが48歳だろうが関係ないですよ。強い選手がたくさん入ってくるといっても、今まで何度も戦ってきた相手ですし、戦法もだいたい分かっています。正直言って手ごわいとか、脅威という感覚はないですよ。むしろ戦ったことがない、若い選手と走る方が怖い。今はボクが一番上ですけど、そういうことも関係ないです」と、まったく意に介していない。
 3月浜名湖SGクラシックでも準優に進出したように、いまだトップ級でバリバリの“レジェンド”。「SGではもっと強力なメンバーと走ってますからね」という言葉は、強がりでもなんでもない。

 事実、自ら「今村スタート」と名付ける抜群のS力は、SGメンバーの中でもいまだにトップクラスだ。

 今大会もドリーム戦に選ばれたように、もちろんV候補の一人として臨むが「これまでのマスターズと変わりはないし、今まで通りの気持ちですよ。出る以上は優勝を目指します」と、サラリと言ってのける。優勝すれば史上最多記録を更新する4度目のVとなる。

 マスターズ世代になっても「目標はSGでありグランプリ」と言い続けている。「マスターズだから特別ということはないですし、GⅠのひとつという位置づけです」。あくまでも年末の大一番に向けた賞金加算のためのレースだと言い切る。

「メンバーがどうというよりも、いいエンジンを引けるかどうかですね。あと、福岡はうねり。うねりが目に入ってくると、どうしてもひるんでしまうんですよ。だから、うねりが出ないことを願いますよ」。レジェンドが掲げたマスターズVへの“条件”。この2つが揃えば優勝できると確信している。

☆いまむら・ゆたか=1961年6月22日生まれ。山口支部の48期生。81年の徳山でデビュー戦1着。82年4月の蒲郡で初優勝。同年7月のまるがめ30周年記念でGⅠ初V。84年4月の浜名湖オールスターでSG初V。通算138V(GⅠ48V、SG7V)。生涯獲得賞金は約28億6500万円。“プリンス”“天才”と呼ばれたボート界の“革命児”。同期に鵜飼菜穂子らがいる。身長162センチ。血液型=A。