【浜名湖ボートSGクラシック】前沢丈史 ドライな男を本気にさせるもの

2018年03月12日 11時10分

前沢丈史

【ボートレース浜名湖・SG「ボートレースクラシック」カウントダウンコラム(1)】 艇界に春の訪れを告げるSGロード第1弾「第53回ボートレースクラシック」(浜名湖)が16日に開幕する。今回のカウントダウン企画は「初挑戦の俺たちが爪痕を残す!」と題してSG初出場選手をピックアップする。第1回はプロ13年目で初の大舞台を踏む前沢丈史(32=東京)だ。

 デビュー以来、首尾一貫した理念がある。

「自分の中でボートレースはビジネス。仕事は嫌い。だから頑張れる」

 過度な目標を立てず、自分の実力を冷静に判断し、それに見合った努力をする。憎らしいほど要領が良く、ドライな考えを持つ男、それがこの前沢だ。

「少ない仕事量でいかに効率良く勝つか? 無駄に仕事はしたくない。ペラ調整するか、整備するか、特訓に出るか。勝ちへの最短ルートを考え、無理せずにやる。正直言って頑張るのは嫌い。でも僕は気持ちを入れると20%から90%に本気度が上がるんです」

 過去に2度“本気”になったことがある。1度目は2011年2月、結婚を機に気持ちを変えた。

「それまでは、一流じゃないけど普通より少し上のA2が目標。でも結婚して本気でA1を目指して頑張った。減量もつらかった。そしたら本当にA1になれたんです」

 A1に定着するとGⅠ出場も増えた。今期(18年前期)はキャリアハイの勝率7・25をマーク。「去年1月に優勝し、ポンポンと優勝戦1号艇に乗れたので『ちょっと真剣に、気合を入れて狙ってみようかな』と思いました」。2度目の“本気”を出した結果、年間6Vを挙げて初SG出場を決めた。

 では一体、本気になるきっかけは何なのか?

「お金ですよ。記念に定着した方が賞金を稼げるし、SGを走ると最低100万くらいは稼げる。それは魅力ですよね」

 すがすがしいほど正直な答え。確かに彼を取材していると、ふた言目には「お金」の話が出てくる。「上の子が私立の幼稚園に入り、そろそろ3人目も生まれるし…。お金が入り用なんですよ。タイトルより賞金。名誉とか、全くいらないんで(笑い)」。現在、都内に新居を建設中。ローンを組んだことも無論、モチベーションになっている。

 さあ、いよいよ初のSG! だが、もうお分かりだろうが彼は至って冷静だ。

「高ぶりはないですね。準優に乗って、あわよくば優出できれば…。まあ、僕にとってはボーナスタイム。あ、それとSGカッパがタダでもらえるのがうれしいですね」

 ゼニ・カネへの執着はSG級。それは冒頭の言葉にもつながる。とことんブレない男だ。

☆まえざわ・たけし=1985年10月9日生まれ。東京支部の97期生。2005年11月の多摩川でデビュー。09年3月の若松一般戦で初優勝。12年前期にA1級に昇格、その後は定着。18年2月の江戸川「関東地区選手権」でGⅠ初優出(6着)。97期同期は土屋智則、山口達也、西山貴浩ら。身長170センチ、血液型=AB。