【びわこボートGIIレディースオールスター】長嶋万記&岩崎恭子スペシャル対談 大切な言葉は「泳縁」

2018年03月05日 12時00分

お互いの健闘を誓い合う長嶋(右)と岩崎。姉妹のようだ

 トップアスリートだから、心はすぐにつながった——。6日にボートレースびわこで火ぶたを切る「GII第2回レディースオールスター」で主役を張る長嶋万記(36)と、かつて日本中を感動で包んだバルセロナ五輪女子競泳金メダリストの岩崎恭子(39)。過酷な勝負の世界を走り抜く同郷、同世代の2人が、それぞれの生き様を熱く語り合った。(司会は講談師・旭堂南鷹)

 ——2人は同じ静岡県の出身なんですね

 岩崎恭子:はい。長嶋さんとは初対面なんですが、共通点がたくさんあってびっくりしてます。

 長嶋万記:子供も同じ女子で同い年。あっという間に意気投合です。

 ——岩崎さんはボートレースをご存知でしたか

 岩崎:もちろんです。テレビにもゲストで何度か出ていますし、長嶋さんが今回出場するびわこもよく知っていますよ。優勝候補ということなので、応援したいですね。

 長嶋:岩崎さんは静岡が生んだスーパースター。本番を前に心強い限りです。

 ——それぞれ試合に臨む時のルーティンを教えてください

 岩崎:金メダルを取ったバルセロナでは緊張をほぐすため、手のひらに「人、人、人」と書いて口にパクッ…をやってました。でも見られているから恥ずかしくなってきて、五輪後は深呼吸に変えました。

 長嶋:私はボートに乗る直前にジャンプを3回して、それから拳をパッと開きながら下ろす動きを3回。気持ちを落ち着かせ、舞い上がらないためにやってます。

 岩崎:どんなレースでも必ずやるんですか。

 長嶋:はい。一般レースでも重賞でも欠かさずやります。でも、今回のオールスターでは「人、人、人、パクッ」をやってみようかな(笑い)

 ——今や2人とも母になりました。意識や考え方に変化はありますか

 岩崎:水泳は個人スポーツということもあって自分の好き勝手にやってきたけど、子供は自分の思うようにならないことがよく分かりました。「娘さんも水泳選手に?」と聞かれますが、そういう意味では子供がやりたいことをさせたい。今年7歳になるんですが、競技水泳をやってないから選手としては厳しいかなとも思いますしね。

 長嶋:私は出産後、確実に成績が上がりました。子供を親族に預けてレースに行くのでオンとオフがはっきりし、より集中できるようになったんです。私は娘のことをブログなどで「師匠」と呼ぶんですが、教えられることがたくさんあるからなんです。

 岩崎:その気持ち、よく分かります。

 長嶋:だから岩崎さんと同じく、将来は娘のやりたいことを応援したい。最近「大きくなったら何になりたい?」って聞くと「ブォ〜ン(モーターボートのエンジン音)やりたい」と。「何で?」「お金ぇ」って。大笑いです。

 岩崎:私は指導者でもあるんですが、ここ一番を前にした時の心構えを教えて下さい。

 長嶋:その瞬間、その瞬間に心に決めていることを「よし、実行するぞ!」と強く思うことです。そういえばファンから頂いた手紙に「マキちゃん“志事”を頑張ってね」とありました。仕事ではなく“志事”。心に響きましたね。では、私にも教えて下さい。岩崎さんが大事にしている言葉を。

 岩崎:3つあります。まずは「幸せ」。バルセロナで「今まで生きてきた中で、一番幸せです」と言いましたが、現在は「幸せを日々更新」です。そして「素直さ」。これが欠けると、何事も他人のせいにする人間になってしまいますからね。最後は「泳縁」。

 長嶋:えいえん?

 岩崎:女子スイマーの大先輩でもある木原光知子さん(故人)に「泳ぐ縁があるから今があるんだよ」と教わり、感銘を受けました。どれも私の大切な言葉です。

 ——最後にお互いに相手のことをどう見ているか。教えて下さい

 長嶋:岩崎さんは14歳で世界の頂点に立つなど、日本という国を背負いながら歩んできた。ボートレースにはそれがないので、重圧とか視野の広さが格段に違う世界で生きてきたんだなと思います。

 岩崎:マキちゃんは何億円というお金を背負って走っている。さらに言えば、お金を預けるファンの生活や命をも背負っているかもしれない。水泳では考えられません。日々もの凄い勝負をしているんだと思いますね。

 ——なるほど。興味深い話ばかりでした。さらなる活躍を楽しみにしています。

 長嶋&岩崎:はい。頑張ります!

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☆いわさき・きょうこ=静岡県沼津市出身。39歳。1992年バルセロナ五輪女子200メートル平泳ぎで競泳史上最年少金メダリストとなる(14歳6日)。現在はスイミングアドバイザー、スポーツコメンテーターとして活躍中。

☆ながしま・まき=静岡県御前崎市出身。36歳。ボートレース浜名湖の静岡支部に所属し2002年11月デビュー、翌年2月にびわこで初勝利。09年から「マキプロジェクト」と題した社会貢献・福祉活動に取り組んでいる。