【戸田ボート・GI戸田プリムローズ】GP王者・桐生順平が語るレース哲学

2018年02月26日 15時36分

桐生順平

【ボートレース戸田GI「戸田プリムローズ」(27日開幕)注目選手】魅せて、勝つ――。究極の理想を掲げる桐生順平(31)が、最高の舞台でそれを実現させた。

 昨年12月、ボート界最高峰のレース「グランプリ」。ファイナル1号艇へ「2着条件」で迎えたトライアル最終戦、インの桐生は1Mでまくられてバック5番手。1号艇は絶望的と思われたが、2周1MでGP史に残る大逆転ターンが炸裂。2着で優勝戦1号艇を手に入れ、翌日にグランプリ初制覇を成し遂げた。

「あの時は条件なんて頭になかったです。何着なら予選トップとか、僕は絶対に考えません。それを意識するとレースがこぢんまりするし、舟券を買っている人にすごく失礼だと思うんです」

 この言葉に桐生の「レーサー哲学」が凝縮されている。他の公営競技の券を買う彼はファンの心理を第一に考えるのだ。

「もし僕のアタマを買っているファンがいたら、2着をキープする走りを見て納得しないでしょう。やっぱり賭け事ですから。大事なお金を賭けてもらい、僕らは走らせてもらっている。だからヤジは当然。むしろ、ヤジはレース場が盛り上がるからうれしいですよ(笑い)」

 これまでも事あるごとに「ファンが面白いっていうレースをしたい」と言ってきた。あのGPでは言葉通り見る者を熱くさせ、その上で「GP制覇」という最高の結果を出してみせた。まさに“二兎”を追って“二兎”を得たのだ。

 そんな桐生はデビュー当初から2つの大きな目標があった。養成所時代、テレビの映像で見たグランプリのレースにしびれ、すぐに「そこを目指す以外ない」と胸に誓った。そしてもう一つが地元・戸田の「周年記念V」だ。こちらも昨年1月の前回大会で達成。現在はダブル制覇しているが、タイトルへの思い入れは少し異なるようだ。

「グランプリは僕自身が取りたいっていう個人的なもの。でも地元周年(への思い)は自分本位ではない。周りからハッパをかけられるし、勝てば関係者の方も喜んでくれますからね」

 常に期待と重責を担って走る地元・戸田。来年3月には待望のSG競走がやってくる。

「ずっとSGが来なかったので楽しみです。年間を通して頑張れば出られると思いますし、出られなかったら自分が甘いだけ。タイトルは何回でも取りたいですよ」

 デビュー、初1着、初優出、初優勝、GⅠ初制覇と節目の勝利をすべて挙げている戸田でファンを大いに沸かせ、そして勝つ。それができるのは桐生しかいない。