【ボートレース平和島・開設63周年記念GI「トーキョー・ベイ・カップ」(18日開幕)注目レーサー】地元の“エース”浜野谷憲吾は昨年、F禍に苦しみ勝率も上げられず、記念戦線でも不発に終わった。今年は名誉挽回の年。走り慣れた得意水面で逆襲の雄たけびを上げるか――。

 15年前期の7・27を最後に6点台の勝率が続いている。地力を考えればさみしいが「良かったり悪かったりはあるさ」とさらりとしたもの。ただ昨年に関しては、フライングで大きくリズムが狂ってしまったといえる。

 17年前期は平均STが0・12。スタートは踏み込んでいたし、決まっていた。だが6月の江戸川GI62周年の4日目にコンマ01のフライング。7月の浜名湖GI64周年で2本目を切ってしまう。「スタートは頑張っていたんだけど…。Fでいけなくなった。今はとにかく90走(A1最低出走回数)までは無理ができないね。その後から、また頑張りたい」と辛抱の時だ。

 90日間のF休みは「ほとんど毎日、ジムに行ってた。体重も増やしたくないし」とレースがなくてもスイッチはONのまま。「それに同じことを毎日繰り返せば、一日が早く終わるでしょ。早く休みが過ぎるのを待っていた」と本音もチラリ。つらく長い3か月を経て復帰直後の11月、大村でVと水を得た魚のように快走を見せた。

 18年は巻き返しの年。まずは地元GIからだ。平和島は昨年、3節出走して2優出1V1準Vと好結果を残した。「平和島は好き。いつも乗りやすく仕上がる」と自他共に認める好相性の水面。もともと淡水より海水のほうが「調整を合わせやすい」と得意にしている。

 その大好きな平和島での仕上がりの鍵は「行き足かな。1Mは広くないし、Sで包まれたら終わる。いかにいい隊形をつくるかがポイント。そこを早くつくれればね」とツボは心得ている。

 そうなればスタート勝負となり、攻めていくことになる。F後だが「冬場で向かい風になると思う。あそこは見やすいし行けるでしょ。それに行かないといけないメンバーだしね」と闘争心は萎えていない。

「去年は(6月の)江戸川で終わった。でも年も変われば気持ちも変わる。今年は年末の18人に入れれば…。そのためにも地元では頑張る」と言い切り、闘志を燃やす。まずはここから、エース復権の序章が始まる。