【今が旬〜このレーサーに乗れ〜】人気レーサーの自慢の逸品、宝物、趣味などを紹介する好評企画。今回は東京支部のホープ、佐藤隆太郎(23=東京・115期)が登場。まだデビュー3年強ということもあり、一番熱中していることはズバリ「ボートレース」。特にレーサーとして成長する上で、ハマっているのが“弟子入り”だ。

 18年前期からA2級に昇格。「今はボートレースが楽しい」と話すように、仕事と趣味が一致している状態だ。そして「気になったら、その選手に話を聞きたくなってしまう」という向上心の高さゆえに、さまざまな選手に“弟子入り”を繰り返しているという。

 といっても何人もの師匠を渡り歩いているわけではない。デビュー時から同支部の先輩で同じ多摩川をホームコースにしている長田頼宗に師事。「長田さんにはいろいろなことを教わっています。練習熱心ですし、常に何かの作業をしている。そういう姿勢を見習っています。以前、勝ったレースで自分の中で『いいターンができた』と思ったときも、終わってから『ターンが抜けていた』と指摘されたことがありました。一流の選手は向上心、妥協しないところがすごいなと痛感しました」と熱く語るように、目標の存在として心酔している。

 その一方で「とにかく、いろいろな方に話を聞くようにしています。実際に自分が乗ったレースにしても、映像を見たレースにしても『いいターンだなあ』と思ったら、その選手に話を聞きに行きます。技術的なものもそうですけど、どういうイメージで乗っているかとか、本人にしか分からないじゃないですか。そこに恥ずかしさとか遠慮とかはないです」と、面識のない他地区の大先輩にも臆面もなく“押しかけ弟子入り”している。

 もちろん、直属の東京支部の先輩にはその濃さが増す。「馬場(剛)さんにはスタートのことをよく聞かせてもらっていますし、江戸川では石渡(鉄兵)さんにペラのことを教えていただきました。すごく参考になりました」。屈指のスタート巧者の馬場にはスタートの極意を学び、江戸川名人からは魔法のペラのヒントを授かったという。

「最近は上のクラスの選手とも走る機会が増え、話を聞く機会も増えました。まだ経験も知識も足りないですし、ペラの調整力の差を痛感しています。上の人はたとえ悪いエンジンを引いても調整してしのいで予選を通ったりするけど、ボクはちょっとでも失敗するとダメ。これからもどんどん話を聞いて吸収したいですね」。艇界ナンバーワン“教わり魔”として、さらなる高みを目指す。

☆さとう・りゅうたろう=1994年5月7日生まれ。東京都出身。2014年11月の多摩川一般戦で東京支部115期生としてデビュー。15年2月の桐生一般戦で初勝利を飾ると、17年3月の多摩川一般戦で初V。通算2V。GⅠ、SGは出場経験なし。18年前期からA2級。同期は仲谷颯仁、権藤俊光、関浩哉、前原哉ら。身長167センチ。血液型=O。