【SGグランプリ(住之江)&GIクイーンズクライマックス(大村)カウントダウンコラム(4):注目レーサー(2)】

【GP16位=森高一真(39=香川・85期)】4年越しの悲願がかなった――。13年に津チャレンジCでSG初制覇。だが、わずかのところで賞金が足りず、13位(現行の18人出場は翌14年から)止まり。当時「自分のSG優勝はラッキーパンチ。1年間頑張った斉藤仁さんが出るべき」と12位の斉藤をたたえていた姿は森高らしいスポーツマンシップあふれるものだったが、やはり内心は悔しさがあったはずだ。

 そういう点では今年は年間を通じてハイレベルな戦いを繰り広げてきたといえるだろう。地元まるがめのSGオーシャンC開催も励みとなった。結果は予選敗退ながら、ドリーム戦には4号艇で出場。その後もコンスタントに稼いだ。

 直近に限れば「ペラの衣替えが必要」とのことだが、10月の津65周年では新エンジン、新ペラだった中で節一級の足に仕上げるなど、すぐに正解を出せる対応力の高さがあり心配無用。GPでは4年分、いやプロ生活18年分の集大成を披露する。

【GP15位=中田竜太(29=埼玉・104期)】初のグランプリ出場へ最後の戦いとなった下関SGチャンレンジCでは無念の妨害失格の事故。「ふくらはぎが2倍に腫れた」という打撲で途中帰郷したが、その後にGP出場が当確。ケガも大事には至らず、本番には間に合いそうだ。

 今年は大躍進の年となった。29歳の誕生日(4月10日)にまるがめ65周年を制して悲願のGⅠ初優勝。「このまま記念を取れずに終わるのかな…と思った時期もあったので正直うれしかった」と勢いをつけ、9月の蒲郡GⅠヤングダービーも制覇。この時点で「GPの現実味が出てきた」と意識したという。

 常日頃から「自分の実力以上のものは出ない」と言い聞かせる。初の大舞台へも「不安は全くない。僕は緊張感とかピリピリ感に敏感なタイプではないので(笑い)」と普段通りに臨む構えだ。

「腹をくくり、なるようになれ!という気持ちでいく」。ライバルにとって不気味な存在だろう。

【QC11位=樋口由加里(29=岡山・102期)】昨年の平和島に続き、2年連続での出場を決めたが、今年は優出が7回あるものの優勝はゼロだった。「児島とか1号艇で優出して、絶対に優勝しなくてはいけないところでできなかったし、詰めの甘さが随所で出てしまいました」と消化不良の一年を振り返る。

 だが、結果は出なくても、選考期間中は286走と12人の誰よりも数多く走った。「時にはしんどいこともあるけど、走れば走った分だけ学ぶことも多いので、いい経験になっていると思います」と得ることは多い。舞台となる大村に関しても「2Mが難しいという感覚はあるけど、嫌なイメージはありませんね」と問題はない。

 昨年の平和島では4戦未勝利。「結局、何もできなくて…。全く存在感を出せなかったです。でも今年は去年の経験を生かして、ひと回り成長した姿を見せたいです!」とやる気十分だ。

 ※次回はGP13位・田中信一郎、14位・原田幸哉、QC10位・川野芽唯を掲載