【舟券的中への近道 ボートレースアカデミー】「レースタイム」と「非常識なフライング」

2017年09月27日 10時19分

【舟券的中への近道 ボートレースアカデミー】

<レースタイム>その名のごとくレース3周(1800メートル)のタイムのこと。ボートレースでは、舟券面でも選手成績面でも「着順」が最も重要視されるが、時としてレースタイムがモノをいう場面がある。

 それはシリーズの予選最終日の争いだ。例えばA選手とB選手が得点率も着順も一緒だった場合、タイムの優劣で予選の順位が決まる。そのため予選中にぶっちぎりで先頭を走っていても、僅差の順位争いを想定して最後まで手を抜かない選手もいる。その代表格がレースタイム最速記録保持者・馬場貴也(33・滋賀)だ。

 別表のように、現時点(17年9月)でベスト6のうち3つが馬場の記録。トップの1分42秒2は旧制度の持ちペラ制時代に樹立したため、タイムが出にくい現制度ではほぼ更新不可能と言われており、まさに不滅の記録だ。誰よりもタイムに重きを置く馬場は「記念では得点率が混戦になることが多く、いいタイムを目指せば有利になるのでタイムアタックしますよ。自分にはそれしか才能がないので(笑い)」とのポリシーがある。

 先月の桐生一般戦でこんなことがあった。予選最終日に得点率で並んだ馬場と萩原秀人は着順も一緒。タイム勝負という事態になった瞬間、萩原は「相手が馬場じゃ勝てるわけないよ」とガックリ。その予感通り、タイム差で勝った馬場が3位となって最後の準優1枠をゲットし、準優を逃げ、優勝戦で3コースからまくってV! 最速男の信念が優勝を呼んだ。

<非常識なフライング>随分と辛辣な言い回しだが、れっきとしたボート用語。+0・05以上のフライング(F)をこう呼び、犯した選手は「即日帰郷に該当する航法」という処分が科され、原則として当日に帰郷しなくてはいけない。そもそも05未満でもフライング自体が「常識的」とは言えないのだが…。

 ともあれ、記事内に「非常識な――」と書かれていると、執筆した記者の「非常識な選手め!」という“主観”と思われがちだが、競走会が出す文書でもこの表現が記載されている。皆さん、勘違いをなさらずに。

 さて、非常識なFによる即日帰郷の制度が始まったのは13年11月。SGで初めて適用されたのは14年の福岡オールスターに出場した山口剛。

 初日9R、インからコンマ07のFを切って不名誉な第1号となってしまった。

 だが、実は非常識なFを切りながら「帰郷」の処分が下されなかったケースも多々ある。最近では今年8月の三国一般戦4日目8R、橋本英一がコンマ09のFを切ったが、帰郷すると番組構成上、選手が足りなくなるため最終日まで出場。規程上は「番組編成など競走開催に支障を来たす場合は帰郷日を延期するなど処分を斟酌する」とされているのだ。

 ちなみに、その橋本選手の最終日のスタートタイミングはコンマ37。処分されなかったが、よほど骨身に染みたようだ。