ボートレース蒲郡のプレミアムGⅠ「第4回ヤングダービー」(優勝賞金1000万円)は24日、ベスト6により優勝戦が行われた。レースは、全員がゼロ台Sを決める究極のスリットから中田竜太(29=埼玉・104期)が完璧なターンでイン先マイに持ち込むと、後続を突き放し独走のゴール。4月のまるがめ65周年記念に続く今年2度目のGⅠ制覇を成し遂げた。

 フレッシュ、フレッシュ、フレ~ッシュ! GⅠ優勝経験のある中田竜太、優出歴のある木下翔太以外の4人はGⅠ初優出。格では明らかに見劣るが、準優では怖いもの知らずの大胆なレースで格上を撃破しており、優勝戦でもフレッシュな力が“夏の扉”ならぬGⅠの扉を開けても不思議はなかった。

 しかし、イン発進の中田は「自分より早いSを行く気の人が多いだろうな」と外からのS攻勢は織り込み済み。「遅れないように」と肝に銘じたSはコンマ09のベストショット。「あれ以上は厳しい」とFを切れない責任を背負いながらも会心のS、そして文句なしのターンで押し切るのだから、メンタルの強さは相当なものだ。

「行き足が気になったんで、そこがマシになるよう少しだけペラを叩いた。もうちょい欲しかったけど、あとは自分次第かなと…」

 決戦当日、仕上がりの満足度は9割程度ながら開き直って自分を信じられる強さがレースに直結した。スリットでは木下と大上卓人がややのぞいたが「慌てることはないなと大事に回った」と判断は冷静そのもの。2番手を追走しながら2周1Mで振り込み、ほろ苦い(妨害失格)GⅠ初優出となった片橋幸貴も迫力満点のターンで全国に名前を売ったが、最後まで冷静でいることの大切さを痛感したことだろう。

 今年2度目のGⅠ制覇で賞金ランクも9位に浮上。暮れのグランプリ出場が現実味を帯びてきた中田だが「ホッとする位置にいる選手じゃないんで、これからもチャレンジャーのつもりで。今年は今までの自分で行きます!」とゴーイングマイウエーを宣言。

 あどけない顔に似合わぬ芯の強さで年末へ向け突っ走る。フレッシュなライバルを一蹴した中田が、今年のグランプリではフレッシュな風となり旋風を巻き起こしそうだ。