【多摩川ボートGI・ウェイキーカップ:争点】いよいよ“日本一の静水面”で晩夏の激闘が始まる――。ボートレース多摩川のGⅠ「ウェイキーカップ・開設63周年記念」が31日、熱戦の幕を開ける。直前のSG・若松「メモリアル」からの転戦組が21人もいる豪華絢爛なメンバー構成で大激戦必至だ。V候補は十指に余るほどだが本紙は昨年の覇者・篠崎仁志に期待する。

 近6大会中、5度も福岡支部の選手が優勝。今大会も前年Vの篠崎仁志が連覇達成と“福岡の牙城”を守るべく乗り込んできた。昨年はGP初出場を果たすと、今年はSG戦線でも堂々の活躍。6月鳴門SG「グラチャン」では優出2着、7月まるがめSG「オーシャンカップ」では予選をトップ通過。峰竜太に続きSG初制覇を果たすのも時間の問題だろう。当地は通算3Vで「相性もいいですし、好きな場です」と話す得意水面。今年も主役の座は譲らない。

 そんな篠崎にストップをかける1番手は桐生順平だ。今年前半は1月に地元の戸田GⅠ60周年記念を制し、3月の児島「クラシック」で通算2度目のSG制覇と、一時は賞金ランクトップを独走した。近況は勢いにやや陰りも見えるが、当地は昨年2月のGⅠ関東地区選を含む4Vの「ドル箱水面」。調整力とターン力で必ずV争いに加わってくるはずだ。

 SGウイナーの菊地孝平も黙っていない。無類のスタート巧者は静水面の当地を得意にしており、09年の55周年記念Vを含め周年記念で3優出。今年はSGで本来の実力を発揮できていないが、GP出場に向けてそろそろ気合が入るころ。勢いに乗ると極限スタートと1着を連発するタイプだけに目が離せない。他では賞金ランク上位につける茅原悠紀、原田幸哉、SG「オーシャンカップ」で優出した前本泰和、辻栄蔵、05年の当地SG「クラシック」を制している笠原亮らもV有力候補となる。

 迎え撃つ地元勢も多士済々だ。当地周年V経験のある三角哲男、村田修次、中野次郎の3人に、角谷健吾、石渡鉄兵、斉藤仁のベテラン勢、多摩川を「純地元」と公言する長田頼宗、近況充実の後藤翔之といったおなじみのメンバーに、GⅠ・2度目の出場となる永井彪也、GⅠ初出場の今泉友吾というフレッシュな2人も加わった。特に永井は「メモリアル」でSG初出場を果たした直後の地元GⅠ初参戦。その走りに注目だ。