【舟券的中への近道 ボートレースアカデミー】

<セット交換>一昔前、いやいや、つい最近までは、こんな言い方、呼び方はしていなかったはずだけど…。記者が年を取ったのでしょうか? 意訳すれば“組み合わせ”ごと交換、となるのでしょうか。

 そもそもはオートレースの選手コメントに使われていたと記憶しています。それがボート界にも流入してきたのだと思われます。

 エンジン本体の“心臓部”となる、シリンダーケースとその中にあるピストン、ピストンリングをそのまま、総取り替えすることを、こう呼んでいるようです。

 ここは「心臓部」とも言えるエンジンのパワーを生み出す動力源で、このケース内で気化したガソリンを爆発させてプロペラを回して、推進力とするため、まさに“肝心要”の部分です。

 ピストンリングのみ、とか、ピストンだけの交換といった整備は、少なくありませんが、シリンダーケースの交換は「大きな整備」、いわゆる“大手術”のレベル。手間も暇もかかるし、なかなか着手しないモノです。

 この整備を施したとなれば、イチかバチかの勝負に出た、とみるのもアリかも。もちろん機力が良化するかどうかは、定かではないですが、一発勝負、もしくは苦肉の策といったところでしょう。当たれば“ガラリ一変”の可能性も秘めているのは間違いありません。

<追加配分>たまに選手が「追加が入った」「今節は追加なので…」などとコメントすることがありますが、このときに使われる“追加”という言葉がこの「追加配分」(略して追配=ついはい)を指します。

 まさに言葉通り、追加される配分のことで、ボートレースにおける配分という言葉が一般的な「仕事」にあたるので“追加の仕事”ということになりましょうか。

 各レース場での開催にあたっては、出場選手のケガや病気、その他もろもろの事情によって出場を取りやめる欠場選手や途中帰郷選手が発生して、人員が不足することもしばしば。番組編成に支障が出るケースも少なくありません。

 こんな場合に開催施行者が、日本モータボート競走会に選手の補充を要請すると、これを受ける形で日本MB競走会のあっせん課がスケジュールの空いている選手を見繕って当該選手に追加あっせんを出します。これに選手が「OK」の返事をすれば成立となります。

 追加をもらった選手は当然、その分、手にする賞金や手当が増えるので、稼ぎたい選手にはうれしい限りです。また出走回数不足の場合や事故点を消化したい選手にとっても貴重なチャンスとなりますね。ちなみに、いくら暇とはいえ、F・L休み(あっせん辞退期間)やあっせん停止中の選手には追加配分はありません。