【ボートレーサーのイチ押し!】重成 華麗なレースの土台を支える「レース日誌」

2017年08月09日 09時38分

レース日誌を書く重成

【ボートレーサーのイチ押し!】ボートレーサーが自身の“イチ押し”を紹介する好評企画。今回は香川支部のエース・重成一人(38=香川・80期)が登場! 艇界きっての理論派が披露してくれた逸品はデビュー以来20年にわたるボート人生で積み重ねた経験、知識、理論がギッシリ詰まったノート――。「レース日誌」だ。

 スタート特訓、展示航走、本番レース、エンジン格納…。これら通常の仕事、作業をそれぞれ終えるたびに必ずペンを手にしてノートに記す。気温、湿度、気圧、どのような形にプロペラを叩いたか、エンジンの調整、実際に乗った時の感触や感じたこと――。

 丁寧に、そして時にはじっくりと考えながら文字をつづっていく。メモを記す選手は少なくないが、ここまで緻密に書き記している選手はほとんどいない。

「もうルーティンワークだね。無意識に書き始めている」と苦笑する。

 1997年5月のデビュー当初からの習慣ではなかった。

「デビューして2、3年目ぐらいからかな。頭では覚えきれなくなって書いておいた方がいいかな、と思って。最初はちょこちょこっとメモを書くぐらいだったんだけど、だんだんしっかり書くようになってノートもしっかりしたものになってきた。だいたい1年で1冊。だから家には15冊以上のノートがある」と説明する。

 レース場には前年と今年のノート2冊を持って行く。「宿舎とかで読み返すよ。あの時はどうだったかな、と…。持ちペラ制度の時はレース場によって前回はどうだったかなという感じで参考にしていた。でも、今のペラ制度になってからは少し違うかな。人が叩いたペラを引き継ぐし、形がその時によって全然、違う。今は節間の過程を確認するという意味合いが大きいかもしれない」とノートの役割を明かす。

「先輩から“考え過ぎにつながるからやめた方がいい”と言われたこともある。でも、これからも書き続けると思うよ」。水上では華麗なレースでファンを魅了する重成。その土台にあるのは緻密な文字で埋められた「日誌」かもしれない。

☆しげなり・かずひと=1978年9月12日生まれ。香川支部の80期。97年5月にまるがめでデビューし、3走目で初勝利。2000年3月の若松一般戦で初V。04年6月の福岡51周年記念でGⅠ初V。SGでは6優出も優勝なし。GⅠ・6Vを含め通算45V。同期に白井英治、香川素子ら。身長168センチ。血液型=A。