【宮島ボートGIIIウエスタンヤング(6月29日開幕)注目レーサー(2)】篠崎仁志(29)はヤングダービーの前身となる新鋭王座を2013年に制するなどGⅠ・3Vの実績を持つ。当大会も14年から3連覇と格上の存在となっているが、今年で若手レースを“卒業”となる。ラスト出場を前にした心境は――。

 30歳未満という年齢制限があるため今年が最後のウエスタンヤング。「もう29歳。ウエスタンヤングにしてもヤングダービーにしても最後の出場になりますからね。しっかり頑張りたいですね」としみじみと語る。

 昨年は初のグランプリ出場を果たした。SGも常連となり、もはや若手という枠を飛び出してボート界のトップ選手の一人として活躍している。しかし、若手レーサーが集う大会に出場する時の心構えは何も変わらない。「レースに臨むにあたって格上という気持ちは全くないですよ。それは関係ない。若手のレースだからといって簡単に勝たせてもらえるわけではないですからね。自分はいつもと同じ仕事をする。これは何も変わりません」とキッパリ言い切る。
 むしろ若手レーサーとの戦いならではの“脅威”もあるという。「若い選手だけのレースとなるといつもとレース隊形からして違いますからね。普段とは違う難しさもあります」と警戒している。

 近況も5月の戸田で自身初V。「いいイメージはなかったんですけどね」という苦手水面を克服。地元SGとなった福岡オールスターでも中堅機ながらもしっかりと準優まで駒を進めており、好リズムをキープしている。

 ヤングダービーでも間違いなくV有力候補。その前哨戦となるウエスタンヤングでは不動の主役だ。

☆しのざき・ひとし=1987年12月3日生まれ。福岡支部101期生。07年11月に福岡でデビュー。初Vは10年9月の福岡新鋭リーグ。GⅠは13年9月の桐生「新鋭王座決定戦」などV3。兄は篠崎元志(96期)。昨年は史上初の兄弟グランプリ出場を果たした。同期は後藤翔之、山下友貴、守屋美穂ら。身長166センチ。血液型=A。