【宮島ボートGIIIウエスタンヤング(6月29日開幕)注目レーサー(1)】「瓜生(正義)の再来」と噂される九州の秘密兵器が羽野直也(22=福岡・114期)だ。その潜在能力は同世代では一目置かれ、福岡ピカイチのホープ。今大会でも主力視される男はどんなヤツなのか。ヘルメットの中の素顔をのぞいた。

 17年後期勝率6・30。7月から晴れてA1になる。デビュー3年でトップクラスに上り詰め、エリート街道まっしぐらだが、本人は「もう少し早くA1になりたかった」と悔しささえにじませる。

 才能があるがゆえにもどかしさを感じるようで、A1になる上で見えてきた課題は?の問いに「全部。自分には全部が足りない。ピット離れからヘタだしSもヘタ。もちろん調整もです」と発展途上であることを強調する。そして課題克服のためには「試運転(練習)するしかない。乗らないと分からないんで」とひたすら乗り込み、体で覚えるつもりだという。

 今後の目標が「記念で活躍できる選手になりたい」という羽野にとって9月に控えるプレミアムGⅠ「ヤングダービー」(蒲郡)は「ぜひとも出たい」レース。その前哨戦とも言えるウエスタンYの舞台・宮島は「イメージが良くない。過去3回走って、結果が出せなかった」という苦手水面。

 その半面、楽しみもあるという。「福岡の先輩が多いんで、いろいろ勉強したいです。どんなペラを使っておられるのかも知りたいし…」と飛躍のきっかけになるアイテムを探すつもりだ。成長過程にある“若鷹”だけに今回はひと味違う走りを見せてくれそう。

 舟券を買う側も宮島=凡走イメージは捨てた方が良さそうだ。

☆はの・なおや=1995年3月29日生まれ。福岡支部114期生。14年5月若松でデビュー。16年7月の芦屋で初V。今年4月には芦屋で2度目のV(イン瓜生正義を5コースからまくり差して撃破)を飾った。7月からA1に初昇級する九州期待のホープで「瓜生正義の再来」と呼ばれる。身長166センチ。同期に松尾拓、西野雄貴、村松修二、中村桃佳がいる。血液型=AB。